「ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)」のつづきです。
とりあえず全ての穴の音が出るようにはなりましたが、気密性がなくスカスカなのはそのままです。特に高い音のリードより低い方がスカスカです。これではリードに圧がかけられなのでベンドも出来ません。
じゃあ「リードプレートをエンボッシングするか」となりがちですが、そこはいったん置いておきます。というのも、リードを確認したときに思ったのですが、思ったほどリードとリードプレートの隙間は空いているようには見えなかったからです。
じゃあ、どこから空気が漏れているのか考えると、コームとリードプレートの間ということになります。
分解したときに観察してみましたが、リードプレートが歪んでいる様子にはなかったので、犯人はコームの成形精度の低さじゃないかと睨んだわけです。
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リードプレートのネジ穴に少しバリが出ていたのでサンドペーパーで削り取ります。
これでもう一度組み立て直して試してみましたが、あまり変わりません。
そこでこれです。コピー用紙をリードプレートの形に切り出して、リードプレートとコームの間に挟みます。車やバイクのエンジンのガスケットの要領です。
これをコームとリードプレートの間に挟みます。
結果としては気密性が何割か上がりましたが、後もう少しです。そこで最後の手段「エンボッシング」です。
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エンボッシングについては賛否両論のようです。気密性を高めるには有効だという一方、デメリットも大きいという意見も多いです。
確かに、リードプレートのスリットの縁を潰してしまうわけですから、空気の流れを変えてしまうことになって色々影響が出そうです。
実際のところはどうなのか、早速やってみます。
エンボッシングについてはコインや音叉の先端を使うなど色々あるようですが、とりあえずスタンダードに音叉のお尻の丸い玉の部分を使ってみました。
おお、気密性が。
リードプレートとリードの隙間を見た感じでは、それほど変わったようにはないようですが、吹いてみると、なるほど、グッと気密性が高まりました。これならベンドもいけます。予想していた以上の効果にびっくりです。
おそらく一定以上のグレードのハーモニカなら、リードとリードプレートの間の気密性についてはアゲミの調整などで十分対応できると思いますが、工作精度の低い機種(つまりお安いモデル)ではエンボッシングも有効になってくるのかもしれません。
何事もやってみないとわからないものですね。
こちらもどうぞ。
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