2020年12月1日火曜日
ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1
2020年11月1日日曜日
ベンドについて考える ②(もう少し考えた)
「ベンドについて考える①」の続きです。
前回は単純にリード楽器で音程が下がる仕組みの話でしたが、今回はテンホールズハーモニカ限定の話です。
♪♪♪
Harmonica For Dummies 2nd Edition(Winslow Yerxa著)に、「ベンドの原則(bending principle)」が3つ書かれています。これを勝手に呆訳してみると。。。
- 高い音をベンドさせるには口の中の空洞を小さくする必要があるで。低い音の時には空洞を大きくするんや。
- ハーモニカの各穴はそれぞれ2つの音がでるやろ、高い方と低い方や。それでな、高い方の音がベンドできる音になるんやで。
- その高い音は低い方の音までベンドで下げることができるんやで。つまりこの2つの音程が離れていればいるほど、大きくベンドすることができるってわけや。
これは素晴らしい教本 |
例えば4番の穴なら、吹音がC、吸音がDです。音程が高いのは吸音のDですから、この吸音のDがベンドのかけられるリードになります。つまり4番の穴はドローベンドが可能で、DからCまでの1音分下げることが可能となります。
同様に、10番の穴なら、吹音がC、吸音がAです。高いのは吹音のCですから、吹音のCのリードがベンドできることになります。したがって、10番の穴はブローベンドが可能で、CからAまでの1音半下げられることになります。
これを各穴の一覧にすると以下のようになります。
青い色の音がベンドで得られる音になります。
ちなみにこれだけでは半音階には音がいくつか足りないので、オーバーブロー、オーバードローで補う必要があります。
♪♪♪
2020年10月1日木曜日
Xcode12でiPhoneシミュレータがエラーで使えない件
Xcode12がリリースされました。
当然iOS14のシミュレータが同梱されているわけですが、実機やリリースビルドはできるのに、シミュレータではエラーになってビルドできないとお嘆きの貴兄へ(いやまぁ自分のことなんですが)。
♪♪♪
結論としては
ここを見るのだ
、では不親切なので、ちゃんと書きます。僕自身あと何本も修正しないといけないので忘れないように書いておかないとね。
各々のプロジェクトの設定によっては修正するところが違うかもしれませんが、大体こんな感じですよ、という備忘録です。
♪♪♪
環境は、MacOS Catalina10.15.17、Xcode12.0.1です。
♪♪♪
スクリーンショットを取ろうと、Xcode12のシミュレータで実行しようとするとエラーが発生しました。もちろん実機では動作します。
そこで修正するのは、PROJECTのExclude Architecturesにarm64を追加します。
これで実行すると、別のエラーが。
ここで修正するのは、User-Defined SettingからVALID_ARCHSを削除することなのですが、そのままだと削除できない?らしく、一旦追加手順ふんでから削除します(編集モードになるってこと?)。 (修正:あれ?普通に消せますね。Add User-Defined SettingsするのはUser-Defined Settingsまで飛ばすためみたいです。単に一番下までスクロールしても同じですね。)
もちろん、TARGETの方に値が残っていると上書きされてしまうので、そちらも削除します。
♪♪♪
これで実行すると
♪♪♪
最初からXcode12で作成したプロジェクトでは起きないんでしょうね、たぶん(未確認)。
ってか、めんどくさい所に変更入れるなよApple。
いやいやそれ以前に、iOS14のリリースに1日しか余裕がないって、どんなスケジュール管理してんだよ(笑)。
2020年9月1日火曜日
ベンドについて考える①
ギター初心者の前にはFの壁があるように、ブルースハーモニカ初心者の前には「ベンド」が立ちはだかります。
でも不思議じゃないですか、音が下がるの。弦楽器であれば、弦の太さ長さが同じ状態なら、張力を変化させることで音程を変えることができます。
これは弾く前には必ずペグを巻いたり緩めたりしてチューニングするのが当たり前な弦楽器の演奏者にとっては、理屈がどうこうではなく経験的にもわかっていることです。そして弦を押さえる指でそれをやるのがヴィブラートやチョーキングということになります。
一方、ハーモニカのように息の吹き込み方で音程が変わるのはやっぱり不思議です。
「こうすればベンドがかかるよ」みたいな情報は色々あります。
そういうのはちゃんとした人に任せて、ここでは「なぜ音程が変わるのか」について素人なりに考えてみようと思います。
リード楽器の音程の変化については、「正しい音階-音楽音響学」溝部國光(著)日本楽譜出版社に詳しいです。この本の第17章「風圧とピッチ」で、リードオルガンを例にあげて風圧によるリード(自由弁)の音程変化が説明されています。
一言で説明すると、「風圧でリードの振動部分の長さが変わる」ということです。これをハーモニカに置き換えて図を書いてみると以下のようになります。
普通に吸ったとき。 |
ドローベンドをかけたとき。 |
チャネル内の負圧が高くなると、リードが大きく震えて、振動部分が長くなって音程が下がるということですね。
じゃあ強く吸えばいいのかと、力一杯キューっと吸ってもリードがちゃんと振動しなくて音が出ません。無理すれば壊れてしまいます。リードを震わせながらも、圧をかけるというというのがベンドということになります。
リードを震わせている空気の量を増やすと言うよりは、流れる速さを上げるというイメージでしょうか。
ハーモニカでビブラートをかける方法のひとつに、「ほっほっほっ」といわゆるトレモロをかける方法がありますが、これも吹く(吸う)のを短く区切るときの圧力の変化によるものです。
クロマチック・ハーモニカを吹いた後にテンホールズを吹くと、ふにゃふにゃです。まるでサスペンションの柔らかい車を運転しているみたいな感じです。おそらくテンホールズはリードが薄いために、わずかな圧力の変化で音程が変わりやすいのだと思います。
テンホールズは半分オモチャみたいな出自ですから、チープな薄いリードだったのでしょう。そのことがベンドを積極的に利用することを可能にして、ブルース音楽にうまくマッチしたという感じですか。
実際の空気の流れもリードの振動ももっと複雑だとは思いますが、なんとなくこんな感じなんだとイメージできれば、ベンドが上手くなれる気がします。
2020年8月1日土曜日
「ブルースハープどう呼ぶか」問題について考えた
ブルースハーモニカの世界に大きく横たわる問題に、「ブルースハープ、どう呼ぶか」があります。これについて自分なりに考えてみます。
この問題については、ハーモニカプレーヤー広瀬哲哉さんのハモニカフェ第1話で語られていて、まぁそのとおりなわけです。
現状としては、一般にはブルースハープ、愛好家にはテンホールズハーモニカといった感じでしょうか。
なぜブルースハープがまずいのかと言うと、よく知られているようにBlues Harpはホーナー社の商品名(登録商標)だからですね。ウォークマン、バンドエイドとかと一緒です。
「ブルースハープ、シブいっすね。」
「これはBlues Harp®じゃないよ。」
、、、なんてこともありそうな話です。
なぜ、ここまでブルースハープが一般的になったかの理由には、
- Hohner社の大ヒット商品、有名プレーヤーの愛用者も多い(らしい?)
- はじめて"Blues"を冠したハーモニカ(ホント?)
- 単に語感がカッコイイ
1はそのとおりではあるのですが、販売数やプロ・アマ含めたユーザの数ならおそらくMarine Bandにはかなわないはずです。なにしろMarine Bandは120年以上の歴史があるうえ、現在でも最も人気があるモデルのひとつです。Blues Harpの発売は70年代ですから、50年足らずの歴史しかありません。もちろん、それでも十分すごいですけどね。
YouTubeの動画を見ていると、その有名さに反してBlues Harpを使っている人はそんなに見ないですね。以前と違って、今はいろいろ選択肢がありますからね、意外とそんなものかもしれません。
2については、「はじめて"Blues"を冠した」かどうかは未確認ですが、ブルース用として作られ、最初に有名になったモデルであることは間違いないです。だって名前がそうなってますからね。
元々はブルースとは無関係な楽器として生まれた10穴ハーモニカが、ブルースプレーヤーに見いだされて、いわゆるブルース用ハーモニカとしての地位を確立したうえでの、Blues Harpの発売です。ブルースハーモニカの代名詞的モデルになったのも無理からぬところです。
3はもう、そのままです。なにしろ語感がいいですし、言いやすいです。Hohner社のネーミングの大勝利です。何だかんだ言っても、個人的にはこれが一番の理由なんじゃないかとにらんでます。
一方でハーモニカのことをハープ、さらにハーモニカプレーヤーをハーピストって呼ぶのはどうなんでしょう。ハーモニカの別名"French harp", "mouth harp"から来ているのだと思いますが、本家である竪琴の方面から苦情とかないのでしょうか。ちょっと心配です。
ハーモニカをハープと言うのには諸説あります。
- ハーモニカを横から見ると竪琴の形をしている
- 音が一列にならんでいて、グリッサンドする感じが竪琴をイメージする
- ハーモニカはチープな楽器なので、おしゃれで高級感を出したかった
- ニックネームっぽく言ってみた(言いやすいしね)
1はよく言われるやつですね。たしかにMain Bandは竪琴の形に見えなくもないです。よくある三角のじゃなくて、神話とか童話に出てきそうな左右対称のやつ。残念ながら、どちらかというとBlues Harpは縦長で、あまり竪琴には見えないですね。
左からMarineBand,OldStandby,GoldenMelody,BluesHarp |
2はちょっとどうでしょうか。確かに管楽器(吹奏楽器)として他と比べればそのとおりですが、音が一列に並んでいるのはピアノやギターなどの弦楽器全般にいえることです。若干無理があると思います。
では3は?。ハーモニカは、当時わずか数十セントで買える、楽器の中ではかなり安い部類に入ります(今だと数十ドルですけどそれでも安い)。メーカーとしても、プレーヤーにとっても、少しでも高級感を出したいという気持ちはわかります。
最後の4についてはもう全然わかりません。WilliamをBillっていう感じでしょうか。非英語ネイティブからすると、さっぱりです。もちろん、 ’har’-monicaと'har'-pで共通しているのはわかりますが、まったく別の楽器の名前を当てちゃうのはどうなんでしょう。
'Mississippi saxophone'という呼び方もあって、アンプリファイドされたサウンドを指しているらしいですが、「オモチャじゃないんだぜ」的なニュアンスも感じられます。それに近い感じでしょうか。
結局、どれが正解なのかはわかりませんし、それぞれの合わせ技でハーモニカをハープと呼ぶことになったのでしょう。でも、百歩譲ってハープと呼ぶのはいいとして、ハーモニカプレーヤーをハーピストというのは、さすがに「いいのかそれで」って思います(笑)。
で、肝心のどう呼ぶかですが、「ブルースハープ」が一般に定着しているならもうそれでいいんじゃないかと思うんですよね。正しさって大切ですけど、言葉って相手に伝わらないと意味がないです。
2020年6月1日月曜日
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑧(チューニング編)
ハーモニカのチューニングは、リードを削ります。用意するものは以下の3つです。
- ルーター
- 剃刀の刃
- クロマチックチューナー
1のルーターはちゃんとしたものがあれば言うことはないですが、ダイソーの600円(税抜き)のものを使いました。オモチャみたいなものですが、チューニングするだけならこれで十分です。
2の剃刀の刃は、ルーターで削るときにリードの下に敷くものです。剃刀の刃は持ってないのでカッターナイフの刃を使いましたが、強度を保ちつつもできるだけ薄い方がいいので、やっぱり剃刀の刃がベストじゃないでしょうか。ま、どっちにしても手を切らないように気をつけます。
3のクロマチックチューナーは何でも良いですが、ギターやベースと違ってハーモニカの場合は平均律とは限らないので、決められたセント数をずらすことが出来るように、ちゃんとセント数が分かるような目盛りになっていることが必須です。
ここでは平均律にチューニングすることにします。
平均律にあわせるには、目盛りの中央になるように調整します。実際にハーモニカを吹いて音程を確かめます。
10セントほど低いです。 |
ハーモニカの音を少し高くする必要がありますね。
ハーモニカの音を高くするには、対応するリードの先端部分を少し削ります。
リードの先端を削ります。 |
剃刀の刃(ここではカッターナイフの刃ですが)をリードの下に滑り込ませてルーターを当てます。
ジッ。 |
削るといっても、ルーターをジーっと当てると削りすぎてしまうので、短くジッとちょっとだけ当てる感じです。
リードをピンピンとはじいて、削りカスを飛ばします。
輪ゴムとダブルクリップで仮組みして、音を出して音程を確かめます。
これを繰り返して、少しずつ少しずつ目標の音程に近づけていきます。
次に音程を下げる方法です。
11セント高いです。 |
ハーモニカの音を低くするには、対応するリードの根元に近い部分を少し削ります。
リードの根元に近いところを削ります。 |
ジッ。 |
後は上記同様、音程を確認しながら繰り返します。
最終的に目標の音程になれば出来上がりです。
中央に合えばOKです。 |
ちなみにベンドトレーナーアプリ内蔵のチューナーには、純正律、マリンバンドチューニングを示すマーク(ドット)が表示されます。平均律のときには目盛りの中央にあわせますが、純正律、マリンバンドチューニングのときには、このマークに合わせます。
テンホールズハーモニカはちょっとした吹き方の違いで音程が変わってしまいます。試し吹きをするとき普段通りの吹き方でと気をつけていても、ついつい力が入ってしまったりします。ですからチューニングメーターとにらめっこして、気合いを入れて音程を合わせてもあまりメリットはなかったりします。「大体あってればOK」の気持ちでやるのが吉です。
そういうわけで、1回のチューニングでバッチリあわせるというより、普段からチューニングメーターを使いながらのロングトーンでウォーミングアップすることで、この穴は高めだとか低めだとかチェックして、使いながら徐々にいい感じのチューニングに合わせていくといいんじゃないかと思います。
こちらもどうぞ。
Old Standbyについて、熱く語ってみる①
Old Standbyについて、熱く語ってみる②
Old Standbyについて、熱く語ってみる③
Old Standbyについて、熱く語ってみる④
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑤(お掃除編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑦(リードの調整編)
2020年5月15日金曜日
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑦(リードの調整編)
リードの向きを修正します。例のライトボックスで照らしてリードとリードプレートとの隙間がちゃんとあるか確認します。
ライトボックスに乗せて、 |
部屋を暗くすると。 |
もしリードが傾いてリードプレートの隙間が真っ直ぐじゃないときは、リードスパナで修正します。
微妙に傾いたリードがぽつぽつあります。作られたときにそんなにしっかり調整していないのか、輸送中にずれたのか、使っている間にずれていったのかはわかりません。スズキのManjiみたいに圧着(溶接?)だとこういうことはないと思うんですけどね。
リードを止めているリベットの位置が微妙にずれていて、リードの脇がスリットの脇と干渉していることがあります。そんなときは、あえて少しだけリードを傾けておくのも手です。
このリードの脇が干渉した状態は、普通の状態でチューニングが合っていても、ベンドがかかりにくかったり、ベンドしている途中でカクンと音が下がったりして上手くコントロール出来なかったりします。
大切なのはリードがリードプレートのスリットの中を自由に往復出来るかどうかです。
アゲミを修正します。
アゲミが小さいときには、慎重に紙を滑り込ませて反らすように持ち上げます。リードは横から見て真っ直ぐではなく、わずかに反っているのが良いそうです。
アゲミが大きいときには、細い棒状のもので押して戻します。爪楊枝とかでも大丈夫ですが、リードプレートのスリットに引っかかりやすいので気をつけます。
アゲミをどのくらいにするかは特に決まりはないようで、大体リードの厚さくらいという「もやっとした」表現になります。このあたりは経験がものをいうところなので、僕もカルマ(笑)を積んでいきたいと思います。
で、結局のところ、吹き吸いしたときにいい感じになればいいので、試し吹きをしながら調整します。チューニングと一緒にやると二度手間にならなくていいですね。
その試し吹きに重宝するのがダブルクリップです。
ダブルクリップ登場。 |
内側にフェルトが貼ってあります。傷が付きにくいようにとのおまじないです。気にしないよ、という人には必要ないです。
カバープレートの先端がリードプレートの溝にちゃんとはまっていることを確認した上で、左右をダブルクリップでしっかり挟みます。
ダブルクリップのサイズは色々ありますからお持ちのハーモニカにあわせて色々試してみて下さい。Special 20のようなプラスチックコームのハーモニカだと、リードプレートがコームの中にはまり込むかたちになるので、リードプレートとダブルクリップのあいだに厚紙のようなものを挟むと良いんじゃないかと思います。
これなら組み立てた状態とほとんど変わりません。Marine Band DXやプラスチックコームのハーモニカなら1回1回組み立てるということが出来なくはないですが、それはちょっと大変です。Golden MelodyやスズキのOliveのようなタイプでなければ、このダブルクリップを使った方法はオススメです。
Maine Band1896やOld Standbyのように釘止めのハーモニカならこの方法がベストだと思います。
こちらもどうぞ。
Old Standbyについて、熱く語ってみる①
Old Standbyについて、熱く語ってみる②
Old Standbyについて、熱く語ってみる③
Old Standbyについて、熱く語ってみる④
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑤(お掃除編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)
2020年5月1日金曜日
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)
「Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(お掃除編)」のつづき、もう少しだけカバープレートとリードプレートに手を入れます。
カバープレートのマウスピース部分の左右には少し隙間があります。
Golden Melodyのような完全にお椀型に型を抜くタイプにはありませんが、折りたたむようにプレスして成形する場合は、どうしても大なり小なりこの隙間が出来ます。
左からOld Standby, Marine Band, Blues Harp, Manji。 |
写真ではわかりにくいですが、Old Standbyは設計が古いせいか比較的この隙間が大きいです。
唇が引っかかることはないとは思いますが、念のためサンドペーパーで少し丸めておきます。
かりかり。 |
かりかり。 |
リードプレートのマウスピース側も一応は丸められているのですが、あらためてサンドペーパーで丁寧に丸めます。
リードに触れないように注意。 |
240番くらいで丸めてから、600番で仕上げると結構ツルツルになります。もう少し番手を上げて仕上げるともっと綺麗になりますが、そこまでする必要はなさそうです。
最後に残りの4辺と角を適用に丸めます。
適当でいいです。 |
これまた適当。 |
この作業はプラスチックコームのハーモニカのように、コームにリードプレートがはまり込んでいるタイプでは必要ありません。プレーヤーがリードプレートに触りませんから。
でも、その分逆に仕上げが雑になっていることも多いので、やっぱり一度やっておくと良いんじゃないでしょうか。今後何度も分解清掃・調整しますしね。
これでリードプレートとカバープレートは完了です。
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2020年4月15日水曜日
Kotlinはじめました(AdMobアダプティブバナー広告を組み込む)
「Kotlinはじめました(AdMobバナー広告を組み込む)」のつづきです。
前回普通のバナーを組み込みましたが、今回はそれをベースにちょこちょこっと直してアダプティブバナーの表示をしたいと思います。
ざっくり言うと、横幅が自由に指定できて、それにあわせて高さや広告内部のレイアウトを自動的にいい感じに設定してくれるバナー広告だそうです。
標準的なバナーのサイズというと320x50ですが、高解像度のディスプレイが主流の昨今、バナーの左右が余る事が多いです。前回のサンプルでもバナーの左右に灰色のコンテナの地が見えていました。それがディスプレイの横幅いっぱいに動的にあわせることができれば、広告としては効果的です。つまり、
お金に関わることですからね。自己責任でお願いしますよ。ちゃんとAdMobのヘルプを読んで下さいね。基本的にクイックスタートガイドと同じ内容ですけど、そこはそれ、こんなに簡単ですよという記事なのでご理解のほど。
AdMobのアカウントとアプリID、バナーの広告ユニットIDは取得済みの前提です。テスト用にAdMobによるデバッグ用IDがありますので、スタートガイドとバナーのスタートガイドを確認して下さい。だめですよ、本番用のIDでテストしちゃ。
AdMobコンソールでの設定は特段必要ありません。バナーの広告ユニットIDも同じで大丈夫です。
ちなみにAdMobによる解説動画はこちらです。
レイアウトを修正します。
広告によって高さがかわるので、コンテナのHeightを50dp固定からwrap_contentにします。
アクティビティにバナーの幅を算出する処理を追加して、ロード時にAdSize.BANNERの代わりに設定したらOKです。
AdMobのヘルプではバナーをコンテナの幅に合わせる処理が入ってますが、ここでは単純にディスプレイの幅に設定しています。
これで実行するとこうなります。
うざい(笑)。 |
このアダプティブバナーですが、上で書いたように横幅を指定すると高さが自動的に決められます。解説動画によると高さは最大で画面の15%までになるそうですが、広告のロード時に画面の高さは渡してないですから、SDKの中で取得しているのでしょうか。
インラインのアダプティブバナーはまだ開発中だそうで、これが出来れば今は亡きネイティブ広告の代わりになって、なかなか便利そうです。
サンプルのプロジェクトをGithubに上げておきました。良かったら見てみてください。
こちらもどうぞ。
Kotlinはじめました(前編)
Kotlinはじめました(後編)
Kotlinはじめました(書籍「Kotlinプログラミング」を読む)
Kotlinはじめました(AdMobバナー広告を組み込む)
2020年4月1日水曜日
Kotlinはじめました(AdMobバナー広告を組み込む)
「Kotlinはじめました(書籍「Kotlinプログラミング」を読む)」のつづきです。だんだんKotlinにも慣れてきました。
先日AdMobから「アダプティブバナーってのをリリースしたからな、組み込んだらどうや。儲かるかもしれへんで、ぐへへへ。(意訳)」というメールをいただいたので、ちょっとやってみました。
手順としては普通のバナーとほとんど変わらないので、今回はまず普通のバナー広告の組み込みについて書きます。
お金に関わることですからね。自己責任でお願いしますよ。ちゃんとAdMobのヘルプを読んで下さいね。基本的にクイックスタートガイドと同じ内容ですけど、そこはそれ、こんなに簡単ですよという記事なのでご理解のほど。
AdMobのアカウントとアプリID、バナーの広告ユニットIDは取得済みの前提です。テスト用にAdMobによるデバッグ用IDがありますので、スタートガイドとバナーのスタートガイドを確認して下さい。だめですよ、本番用のIDでテストしちゃ。
・Android Studioでプロジェクトを作成したら、プロジェクトレベルのbuild.gradleにGoogleのMavenリポジトリを設定します。
これは普通にプロジェクトを作成すればすでに設定されていると思います。
・アプリレベルのbuild.gradleに、AdMob SDKを設定します。
特別な理由がなければ、最新のバージョンを指定します。
・マニフェストファイルにアプリIDを設定します。
アプリIDは'ca-app-pub-'で始まるコードですが、数字の間をつなぐのがチルダです。広告ユニットIDと間違いやすいのでお気を付けください。
・レイアウトファイルに広告を貼るためのコンテナを追加します。
スタートガイドでは、レイアウトに直接AdViewを組み込む方法が例示されていますが、コンテナ(ここではFrameLayout)を作って、そこにAdViewをKotlin側で貼り付ける方が色々自由がきくのでオススメです。
コンテナの背景を灰色(#979797)にしているのは、単にコンテナ部分を見分けやすくするためです。通常は、透過するかそのアプリに馴染む背景を設定します。
・ActivityのKotlinソースは以下のようにします。
ここではinitAdMob()とloadAdMob()を続けて処理してますが、この初期化とロードを分けておくと後々いろいろコントロールしやすくなります。
また、AdListenerを使ってイベントを拾うのも、他の広告ネットワークを使うときなどには便利です。単純に広告を表示するだけなら不要ですが、広告の取得の可否・タイミングが受け取れると、ごにょごにょするのに自由度が高いです。
バナーのサイズにはAdSize.BANNERを設定しています。標準的な320x50のサイズです。
上で書きましたが、広告ユニットIDはアプリIDと間違いやすいので気をつけて下さい。
これで実行するとバナー広告が表示されます。
Nice job! |
これはNexus5Xで実行したものです。幅320の広告バナーの左右に灰色のコンテナの地が見えていることがわかります。
サンプルのプロジェクトをGithubに上げておきました。良かったら見てみてください。
こちらもどうぞ。
Kotlinはじめました(前編)
Kotlinはじめました(後編)
Kotlinはじめました(書籍「Kotlinプログラミング」を読む)
Kotlinはじめました(AdMobアダプティブバナー広告を組み込む)
2020年3月15日日曜日
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑤(お掃除編)
「Old Standbyについて、熱く語ってみる④」のつづき、お掃除編です。
Old StandbyはMarine Band 1896と同様、釘止めで組み立てられてます。ネジ止めのSpecial20などと違って、分解清掃をするのはなかなか億劫になります。
それでもやっぱり口を付けて演奏する楽器ですから、清潔にするにこしたことはないわけで、たまには分解してキッチリ掃除したいところです。
まず、カバープレートを外します。「Old Standbyについて、熱く語ってみる③」で作ったオープナーを使います。
えいっ。 |
リードプレートを外します。
やぁ。 |
分解完了。 |
釘は打ち込んだときの癖がついていることがあるので、再度組み上げるときには刺さっていた場所と同じ釘を打ち直した方がいいという話がありますが、見るからに曲がったりしてないならそこまで気を遣うことはないと思います。
ただ、リードプレートを固定する釘とカバープレートを固定するものとでは微妙に長さや形が違うので、そこはきちんと区別する必要があります。釘の頭が平らなのがリードプレートを固定する釘で、少し盛り上がってマイナスネジのような溝があるのがカバープレートを固定する釘ですね。この時点でしっかり分けておきます。
外したリードプレートのホコリなどを、歯ブラシでささっと払い落とします。
歯ブラシはリードの根元から先端に向かって払います。逆に動かすと、リードとリードプレートの間にブラシの毛がはさまってリードを曲げてしまいます。お気を付けください。
ぬるま湯にお酢を加えて、リードプレートを沈めます。1,2分くらい浸けて汚れがふやけたら、取り出して歯ブラシで優しく汚れを落とします。
酢入り(左)と、すすぎ用の真水(右) |
さすが酸の力はすごくて、入れた途端にピカピカになります。
浮いた汚れを歯ブラシで落とします、 |
お酢はどれくらい入れたらいいのでしょうね。あまり濃いとリードを痛めそうな気もしますし、薄すぎても効果が薄い気がします。なかなか悩ましいです。
あとは真水でよく流します。リードに変な力がかからない程度のゆるい流水でもいいかもしれません。
自然乾燥 |
リードプレートを乾かしている間に、コームをアルコールで拭いて綺麗にします。もし汚れが酷いときは、爪楊枝などでこすって落とします。
リードプレートとコームが完全に乾いたらプライヤーで釘を打ち直して組み上げます。特に木製コームは湿気を含むと膨張しますから、その状態で釘を締めると乾いたときに緩みが出て気密性が落ちてしまいます。
でも今回はせっかく分解したので、色々手を入れてみたいと思います。まずはカバープレートです。
釘穴部分はバリがひどいのでヤスリで削ってから、金槌で軽く叩いて平らにします。
結構とがっています。 |
バリの先端を軽く削ります。 |
平らな金属で挟んでトントンとね。 |
写真では分かりづらいですが。 |
ここで頑張ってもびっくりするほどは平らにはならないので、適当なところで妥協します。それでも手を切らないようにするには十分です。
ホーナー(他のメーカーもそんなに変わりませんが)のカバープレートは、裏側にあたる縁があまり丁寧に処理されていません。これもまた掃除中にうっかり手を切りそうです。
そこで外したカバープレートに裏の縁を、200番くらいのサンドペーパーで丸めます。どうせ外から見えない裏側なので見た目は気にせず、さわって危なくない程度で十分です。
軽くこするだけで大丈夫です。 |
あとはこれも水洗いして乾かしておきます。これで次から分解掃除・メンテナンスするときでも安心ですね。
次回リードの調整に続きます。
こちらもどうぞ。
Old Standbyについて、熱く語ってみる①
Old Standbyについて、熱く語ってみる②
Old Standbyについて、熱く語ってみる③
Old Standbyについて、熱く語ってみる④
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑦(リードの調整編)