2019年12月15日日曜日

Old Standbyについて、熱く語ってみる③


「Old Standbyについて、熱く語ってみる②」のつづき、今回は密造編です。

旦那、いいブツが入りやしたぜ。
こらこら。


♪♪♪


残念ながら、Old Standbyは12キー全てが揃ってません。発売されているのはA, B(H), C, D, E, F, G, B♭の8種のキーで、残りのA♭, D♭, E♭, F#はありません。あまり需要がないからだと思いますが、手に入らないと思うと俄然欲しくなるのが人間の性であります。


♪♪♪


Old Standbyについて、熱く語ってみる①で、「Marine Band 1896とOld Standbyはカバープレートが違うだけなんじゃないか疑惑」について書きました。ややっ、それならカバープレートを交換すれば好きなキーのOld Standbyが作れるんじゃね?

それだ!

というわけで、早速Marine BandのA♭とOld StandbyのB♭をサウンドハウスで購入しました。

Marine Bandが3,135円、Old Standbyが2,945円(税込み)


Marine Band 1896は化粧箱入りで、取扱説明書に加えて無料オンラインレッスンのコードが付属してます。

箱入り+オンラインレッスン


一方Old Standbyはビニール袋入りで、取扱説明書だけしか付いてません。

簡素。

もしかして標準小売価格で300円の価格差は、化粧箱とオンラインレッスンの値段だったりして。

ありそう(小声)。


改めて両者を見てみると、コームの歯の幅が微妙に違うことに気付きました。

Old Standbyは、約3.0mm
Marine Bandは、約3.3mm

Old Standby(上)とMarine Band(下)


Marine Bandの方が少し太いです。全体の長さは同じですから、結果的にMarine Bandのチャネル(穴)の幅が狭くなります。これが音色や演奏性(ベンドのかけやすさとか?)に微妙に影響しているかもしれません。

並べるまで気付かなかったけどね(小声)。

というわけで、どうやらコームは別物のようです。一方、材質は同じように見えます。Marine Bandのスペックは2重ラッカー塗装のペアウッドですから、その辺りは同じなんじゃないかと想像します。

※もし違いがあるとすれば、塗装が2度塗りになっていないとかでしょうか。ちなみに、Marine Band Deluxeは3重のラッカー塗装です。また、木材のグレードが違うということも考えられますが、ギターなどと違って消耗品的な性格が強いので、大して違わないと思うのです。実際のところはどうなんでしょうね?

そこで、当初はカバープレートを交換するだけのつもりでしたが、コームが別物ならこっちも交換しないと、ですね。


♪♪♪


カバープレート、リードプレートを交換するにはちょっとした道具、「(マリンバンド)オープナー」が必要です。


この動画を参考に、ダイソーのこども用キッチンナイフで作ることにします。正直のところ、もう少し小ぶりのものが欲しかったのですが、他に適当なモノが見つからなかったのでこれでいきます。

先が尖ってないところが「こども用」らしい。

まず手を切ったりしないよう、サンドペーパーで刃を丸めます。動画では220番をつかってますが、手元にあった240番を使いました。

けがしないようにね。

次にヤスリで、小釘を引っかけるための切り欠きを入れたら、安全のために先端を丸めて完成です。切り欠きは、リードプレートを取り外すときに使います。

名付けて「オールドスタンバイ・オープナー」


♪♪♪


これで用意ができました。次回カバープレート、コームの交換につづきます。


こちらもどうぞ。
Old Standbyについて、熱く語ってみる①
Old Standbyについて、熱く語ってみる②
Old Standbyについて、熱く語ってみる④
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑤(お掃除編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑦(リードの調整編)

2019年12月1日日曜日

なんちゃってドライボックスを作ってみた


ブルースハーモニカの世界ではソーキング(soaking)というものがあって、ハーモニカを水で丸洗いすることだそうです。特に木製コームをソーキングすると、木が微妙に膨張して気密性が高まって良い感じの音が出るらしいです。

なにそれこわい。

いやいや、木を濡らしたらあかんやろ。木が湿っていたら鳴りが悪くなりません?それに丸洗いなんかしたら完全に乾くまで時間がかかりますし、水分が残っているとカビやサビの原因になります。湿る/乾くを繰り返せば、さすがにコームも反りが出たりするのじゃないでしょうか。

大丈夫なんですかね?まじで。

というわけで、僕は怖くてソーキングはできません。


♪♪♪


とはいえ、ハーモニカを吹けば木製コームは湿気を含みますし、当然マウスピース部は唾液で濡れるわけです。ですから、使った後はアルコールでよく拭いてから干して(1時間ほど放置して乾かして)ホコリをかぶらないようにケースに入れるわけです。

でも、部屋の中もそれなりに湿度がありますから、しっかり乾くかどうかはちょっと疑問です。そこをもう少しなんとかしたいなと思っていました。


♪♪♪


そこで思いついたのは、カメラ用のドライボックスです。

こういうの。

要は湿度計がついたプラスチックケースです。フタにパッキンがついていて密閉できるので、乾燥剤と一緒に入れてレンズなどにカビが生えないように保管するための箱です。これにハーモニカを入れればしっかり乾きそうです。

それだ!

それほど高価いものでもないですし、早速ポチろうと思ったときにまた悪い癖が(笑)。

これ100均で作れるんじゃね?


買ってきた。

言うまでもなく3個で300円(税別)です。ケースはトレーディングカードとか入れるものでしょうか、CDにはちょっと小さいです。あとは温・湿度計と、仕切りのためのトレーです。

ケースはただの箱で、パッキンとかないですからドライボックスとは言いがたいです。蓋を閉めてもうっすら隙間が空いてます。大きなタッパーみたいなのがあればいいのですが、良い感じのサイズのものが見つからなかったので、そこはちょっと我慢です。

まぁ、カメラのような精密機械を入れるわけではないですから、気密性はそこそこで良いかなと思います。所詮ハーモニカですからね、そんなにシビアに考えなくてもいいでしょう。ただ、もう少しだけ隙間を埋めるような何か工夫をしたいなとは思ってます。これは宿題です。


♪♪♪


温・湿度計は一度分解します。プラスチックの枠がはまっているだけですから、簡単にパカッと外れます。ちなみに文字盤は紙製です。

安いぜ。

一応正確な温・湿度計に両面テープで貼り付けてしばらく置いて、同じ数字を指すように針を調整します。そもそも100円ですから精度は期待できませんが、なんとなくは正しい感じにしないとね。

なんとなく合ってればOK

何度か微調整して良い感じになったら枠を元に戻します。風防は湾曲していて、箱に貼り付けるときに邪魔になるので枠だけ取り付けます。

風防はなし。
あとは箱の内側に両面テープで貼り付けて、シリカゲルを入れれば完成です。気密性の低さをシリカゲルをどっさり入れることで解決するという力業です。

シリカゲルは高価いものではありませんし、フライパンで加熱すれば何度か再生することもできます。食品によく使われることからもわかるように安全性が高いので、ハーモニカにはぴったりじゃないでしょうか。


完成!
大小2個作ってみました。

逆光が残念です。


毎日練習に使うCのOld Standbyは小に、その他の普段は余り使わないものを全部大の方に入れました。

小の方は日々湿気を帯びますから、ケースにハーモニカを入れたときは湿度40%くらいで、約24時間で湿度30%くらいにまで下がります。Old Standbyは木製コームなので、3、40分も使うとコームがふやけて少し膨張しますが、これも丸1日でほぼほぼ元に戻ります。ちゃんと乾いているようですね。

大の方は、ほとんど開けないので湿度28%くらいで安定しています。これならカビることはないと思います。

とは言え所詮は100円の湿度計です。30%などといった数字自体には意味はありません。でも思った以上に針が上下するので、目安としては十分機能しています。気密性をもう少しなんとかできたら、電池式のちゃんとした湿度計に交換しても良いかなと考えています。




自分が欲しいので作りました。