2021年5月1日土曜日

AndroidのSpinnerをちょっと変えてみる。

AndroidのUIのひとつにSpinnerがあります。

いくつかの候補から対象を選ぶときに最適なドロップダウン(プルダウン)リストが主な使い道です。見た目は違いますが、iOSならUIPickerViewがそれに相当します。

こんなの。



ところがこのSpinner、表示内容に対してwidthが十分取れないと残念な見た目になってしまいます。

ドロップダウンのリスト部分は画面に被って表示されますから、画面幅を超えない限り長くても大丈夫ですが、選択されたアイテムが表示されるSpinner自体はレイアウトに左右されます。

そこでどうしたいのかというと、ドロップダウンのリスト部分と選択されたアイテムの短縮形を表示したいのです。「ジミ・ヘンドリックス」を選ぶと「ジミヘン」になるようにね。


♪♪♪


標準的なSpinnerがセットアップされている前提です。


♪♪♪


まずは、ドロップダウンのリスト部分と選択されたアイテムのペアを格納するデータクラスを作成します。
値を入れて、取り出すだけなので処理は空っぽです。もちろん、凝った表示が必要なら処理を書きます。

Spinnerとリスト部分のレイアウトは基本的に変わりませんが、それぞれ名前(id)をつけます。


専用のカスタムアダプターを作成します。


あとは、データの型をStringからドロップダウンのリスト部分と選択されたアイテムのペアを格納するデータクラスに変更して、ArrayAdapterをカスタムアダプターに変更すればOKです。


これでこんな感じでいけます。

GitHubにこのサンプルを置いておきました。

やっぱりこれだよ、これ。

2021年4月1日木曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話5(まとめ)


 「ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話4(HOHNER Happy Harp編)」のつづき、まとめです。


結局どうなのよ、です。


ARIA AH-1020とHOHNER Happy Harpは同じワンコインのハーモニカですが、商品としての性格がちょっと違います。

有り体に言えば、前者は普通のテンホールズハーモニカの廉価版、後者はよく出来たオモチャって感じですか。


どうですか、これ。


もし、どうしてもどちらかを人に薦めなければいけないとしたらHappy Harpかなと思います。でも、プラスチックのカバープレートはさておき、アルミのリードプレートがなぁ。

一方、AH-1020のリードはちょっと堅いです。堅いというより、弾力性に欠けて脆そうと言った方が的確かもしれません。まさか、ハードに使っているとある日リードがポッキリと、、、そしてそれを吸い込む。。。なんてね。


きゃー、怖い、怖い。

さすがにそれはないよね。


でも、ARIAの方は全然ダメかというと、んー、確かにハーモニカとしては全然ダメなんですけど(笑)、メンテナンスの練習や改造を試す実験台としての位置づけならどうでしょう。

チューニング、アゲミの調整、エンボッシングといった作業は、うっかりするとリードプレートごとダメにしてしまうこともあります。リードの交換なんかだとなおさらです。いきなり上手くいくとは限らないので、練習台にするということです。少なくとも、いきなり良いハーモニカをだめにするのは辛いですよね。

AH-1020のリードの脆さは、逆にメンテの練習に向いている気がします。

Happy Harpはリードプレートがアルミであることから、思い切った改造は出来そうもありません。でも、リードを削るのはいけますから、様々な音律やパディリヒターなどの変則チューニングを試してみるのもいいですね。

♪♪♪

僕の結論としては、楽器としてではない意味で、いろいろ遊んでみるのがいいんじゃないの?(まぁ、ワンコインだし)といったところです。


こちらもどうぞ。

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話3(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話4(HOHNER Happy Harp編)

若いなぁ。。。

2021年3月1日月曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話4(HOHNER Happy Harp編)

 

「ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話3(ARIA AH-1020編)」の続きです。


さて、今回はもうひとつのワンコインのハーモニカ、HOHNER Happy Harpです。


見ての通りカバープレートが樹脂製で、コームも青く透明です。思いっ切りオモチャっぽいというか、その名のとおり"happy"感が出てます。

手に持ってみると、これがやけに軽いです。

すげー軽い(笑)。

この軽さは樹脂のカバープレートから来ているのかなと思いながら、分解してみてびっくりです。


リードプレートがアルミ?


一見真鍮っぽく着色はされてますが、この軽さはアルミみたいです。真鍮も比較的柔らかい金属ですが、アルミはもっと柔らかいです。ネジ穴も潰しやすいですから分解時には慎重に扱う必要がありそうです。そういう意味でも、メンテナンスしながら長く使うということはちょっと難しいですね。

気密性はAriaほどスカスカではありませんが、やはりちょっと足りないです。そこで得意の紙ガスケットです。

またまた、頑張って切ったよ。

これを挟んで組み立てます。


前回同様、ガスケットにはコピー用紙を使いました。結果としては、気密性が何割かアップしました。それでもまだ十分とは言えませんが、リードプレートがアルミだってこともあるのでエンボッシングはやめておきます。

ガスケットの素材はもう少し厚み(弾力?)のある紙を使った方がより良いのかもしれません。試してませんが、コピー用紙なら2枚にしてみるのも良いかなと思っています。

♪♪♪

これで、それなりのハーモニカになったと思います。あくまで「それなり」なんですけどね。


こちらもどうぞ。

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話3(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話5(まとめ)

2021年2月1日月曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話3(ARIA AH-1020編)


「ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)」のつづきです。

 

とりあえず全ての穴の音が出るようにはなりましたが、気密性がなくスカスカなのはそのままです。特に高い音のリードより低い方がスカスカです。これではリードに圧がかけられなのでベンドも出来ません。

じゃあ「リードプレートをエンボッシングするか」となりがちですが、そこはいったん置いておきます。というのも、リードを確認したときに思ったのですが、思ったほどリードとリードプレートの隙間は空いているようには見えなかったからです。

じゃあ、どこから空気が漏れているのか考えると、コームとリードプレートの間ということになります。

分解したときに観察してみましたが、リードプレートが歪んでいる様子にはなかったので、犯人はコームの成形精度の低さじゃないかと睨んだわけです。


♪♪♪


リードプレートのネジ穴に少しバリが出ていたのでサンドペーパーで削り取ります。

これでもう一度組み立て直して試してみましたが、あまり変わりません。

そこでこれです。コピー用紙をリードプレートの形に切り出して、リードプレートとコームの間に挟みます。車やバイクのエンジンのガスケットの要領です。

頑張って切ったよ。

これをコームとリードプレートの間に挟みます。


結果としては気密性が何割か上がりましたが、後もう少しです。そこで最後の手段「エンボッシング」です。


♪♪♪


エンボッシングについては賛否両論のようです。気密性を高めるには有効だという一方、デメリットも大きいという意見も多いです。

確かに、リードプレートのスリットの縁を潰してしまうわけですから、空気の流れを変えてしまうことになって色々影響が出そうです。

実際のところはどうなのか、早速やってみます。

音叉のお尻を使ってギュッと。

エンボッシングについてはコインや音叉の先端を使うなど色々あるようですが、とりあえずスタンダードに音叉のお尻の丸い玉の部分を使ってみました。

おお、気密性が。

リードプレートとリードの隙間を見た感じでは、それほど変わったようにはないようですが、吹いてみると、なるほど、グッと気密性が高まりました。これならベンドもいけます。予想していた以上の効果にびっくりです。

出来上がり。


おそらく一定以上のグレードのハーモニカなら、リードとリードプレートの間の気密性についてはアゲミの調整などで十分対応できると思いますが、工作精度の低い機種(つまりお安いモデル)ではエンボッシングも有効になってくるのかもしれません。

何事もやってみないとわからないものですね。


こちらもどうぞ。

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話4(HOHNER Happy Harp編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話5(まとめ)

最高や!

2021年1月1日金曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)

 

「ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1」の続きです。


早速ARIA AH-1020(D♭)を見ていこうと思います。



ケースの中にはハーモニカ本体に加え、ウェスと12キーの配列が書かれた取扱説明書が同梱されています。

ハーモニカのカバープレートには、傷防止の薄いブルーのビニールが貼られていて、大事にされている感が感じられます。アルコールでよく拭いてから(このご時世ですからね)試し吹きです。

案の定、気密性が低くスカスカです。お値段がお値段なので、そりゃそうだろうな、という感じです。

音程は、良くはありませんが、特別こりゃダメだって感じでもありません。Hohnerだって結構いい加減だったりしますからね。けっこう個体差があります。

それはそれとして、まぁOKなわけですが、、、3番ブロー(A♭)の音が出ない。

あかん。これはアカンぞ。

分解して、リードのセッティングを例のライトボックスで確認してみます。



ちょっとリードが傾いて引っかかってましたね。それと全体にアゲミが少なめなようです。さっと修正して組み立て直します。

で、そこで事件は起こります。カバープレートを取り付けるネジを片方なめました。

えっ?ここで?

リードプレートのように薄いパーツに対するネジの場合は慎重に締めますが、カバープレートのネジを締めるときはあまり気をつかわないのは確かです。

でもなぁ。。。

ネジの精度や材質が悪いのかそれとも運が悪いのかわかりませんが、とりあえず手持ちのネジで間に合わせます。ちょうど良い長さのネジがなかったので、かっこ悪いことになりました(笑)。



このネジはM2.6x15です。この15ミリでは長すぎるので、12ミリくらいのものがあればちょうど良いのではないでしょうか。残念ながら近所のDIYショップにはありませんでしたし、そもそも規格としてあるかどうか知りませんけど。

組み上がったハーモニカを吹いてみると、全ての穴がちゃんと音が出るようになりました。

めでたし、めでたし。

気密性も若干改善しましたが、やっぱりまだスカスカのままです。これにはちょっとアイデアがあるのです。


こちらもどうぞ。

2020年12月1日火曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1


ハーモニカ、特に10穴ハーモニカは楽器の中でも「お安い」部類に入ります。高価なものでも1万円を超えるくらいです。

もちろん12キーを揃えると良い金額にはなりますけどね。

いずれにしても、そんな高価いハーモニカは持ってないので、そりゃまぁ、良い音がするんだろうな、と思ってます。

では反対に安いハーモニカはどうでしょう。

サウンドハウスで10穴ハーモニカを安い順に並べると、最安はHOHNERのHappy Harpの526円、次にARIAのAH-1020の580円があります。大体ワンコインです。ちょっと足が出ますけどね。税込みだと578円、580円です。

Amazonだとちょっと高いですね。


♪♪♪


楽器は値段じゃないとはいえ、 ある程度のグレードが求められます。HOHNERならMarine BandやSpecial20、SUZUKIならManjiあたりなら、まず誰も文句ないところでしょう。入門機というなら、もう少し下のグレードでも問題ないはずです。

とはいえ、ワンコインのハーモニカはさすがに安すぎます。値段が5分の1以下です。完全に「楽器というよりオモチャでしょ?」となりますね。

じゃ、どの程度「オモチャ」なのか、試してみようじゃないですか(笑)。

そのオモチャっぷりを笑ってやろうという意地悪な気持ちがなくもないですが、ワンコインのハーモニカを見ることで逆に3千円4千円の値段が何なのかが見えてくるんじゃないかと考えたわけです。

、、、というわけで、買ってみました。


ちゃんとしたケースに入ってますな。

さてさて、どんなものでしょうね?

こちらもどうぞ。

よくこんな弾き方でちゃんと弾けるようなぁ、ニール師匠。

2020年11月1日日曜日

ベンドについて考える ②(もう少し考えた)


 「ベンドについて考える①」の続きです。

前回は単純にリード楽器で音程が下がる仕組みの話でしたが、今回はテンホールズハーモニカ限定の話です。

♪♪♪

Harmonica For Dummies 2nd Edition(Winslow Yerxa著)に、「ベンドの原則(bending principle)」が3つ書かれています。これを勝手に呆訳してみると。。。

  1. 高い音をベンドさせるには口の中の空洞を小さくする必要があるで。低い音の時には空洞を大きくするんや。
  2. ハーモニカの各穴はそれぞれ2つの音がでるやろ、高い方と低い方や。それでな、高い方の音がベンドできる音になるんやで。
  3. その高い音は低い方の音までベンドで下げることができるんやで。つまりこの2つの音程が離れていればいるほど、大きくベンドすることができるってわけや。
これは素晴らしい教本

1は、ベンドのかけ方に関する原則ですね。2は、各穴のベンドがかけられる音(リード)についてです。そしで、3はそのリードがベンド出来る幅(量)についてです。ここでは、この2と3に注目します。

♪♪♪

例えば4番の穴なら、吹音がC、吸音がDです。音程が高いのは吸音のDですから、この吸音のDがベンドのかけられるリードになります。つまり4番の穴はドローベンドが可能で、DからCまでの1音分下げることが可能となります。

同様に、10番の穴なら、吹音がC、吸音がAです。高いのは吹音のCですから、吹音のCのリードがベンドできることになります。したがって、10番の穴はブローベンドが可能で、CからAまでの1音半下げられることになります。

これを各穴の一覧にすると以下のようになります。

青い色の音がベンドで得られる音になります。

ちなみにこれだけでは半音階には音がいくつか足りないので、オーバーブロー、オーバードローで補う必要があります。

♪♪♪

でも、低い方の音までベンド出来るということですが、実際にはその低い音まで下げることは出来ないと思います。おそらく低い音の手前くらいが限界なんじゃないかと。これもちょっと不思議ですよね。

前回書いたリード楽器で音程が下がる仕組みだけを考えると、このように鳴る側のリード(高い方)のベンドが鳴らない側のリード(低い方)に制限されるのは説明がつきません。

ベンドの原則2と3から考えると、ベンドしない側のリードが、ベンドする側のリードの動きに干渉していることがわかります。確かに、カバープレートを外して音を鳴らしてみると、発音するリードではない方のリードも振動しています。


テンホールズはクロマチックハーモニカと違ってバルブがありませんから、鳴っていないリードも空気が通過して振動しているのだと思います。

ベンドの原則2から、ベンドできるリードは音程が高い方です。これに対して、低い音のリードが振動してこれに共鳴することで、発音している高い方のリードのベンドを助けているんじゃないですかね?、というのが僕の仮説です。

つまり、ベンドするリードの音程が下がるにつれ、共鳴する方のリードの音程に近づいていきます。ここまでは共鳴する方のリードがベンドの音程を下げる方向にアシストします。

共鳴するリードの音程を通り過ぎて、もっと下げようとすると、逆にブレーキになるのじゃないでしょうか。裏を返すと、ベンドの原則2で低い方のリードはベンドできないというのは、このブレーキが原因だと思うのです。

♪♪♪

どうでしょうか、正しいと思うんだけどなあ、この仮説。物理が得意な人の意見が聞いてみたいところです。

信じるか信じないかはあなた次第・・・
間違っていても責任は取れませんよ(笑)

こちらもどうぞ。


ベンドの練習にぴったりですよ。