2020年3月15日日曜日

Old Standbyについて、熱く語ってみる⑤(お掃除編)


「Old Standbyについて、熱く語ってみる④」のつづき、お掃除編です。


♪♪♪


Old StandbyはMarine Band 1896と同様、釘止めで組み立てられてます。ネジ止めのSpecial20などと違って、分解清掃をするのはなかなか億劫になります。

それでもやっぱり口を付けて演奏する楽器ですから、清潔にするにこしたことはないわけで、たまには分解してキッチリ掃除したいところです。


♪♪♪


まず、カバープレートを外します。「Old Standbyについて、熱く語ってみる③」で作ったオープナーを使います。

えいっ。

リードプレートを外します。

やぁ。

分解完了。

釘は打ち込んだときの癖がついていることがあるので、再度組み上げるときには刺さっていた場所と同じ釘を打ち直した方がいいという話がありますが、見るからに曲がったりしてないならそこまで気を遣うことはないと思います。

ただ、リードプレートを固定する釘とカバープレートを固定するものとでは微妙に長さや形が違うので、そこはきちんと区別する必要があります。釘の頭が平らなのがリードプレートを固定する釘で、少し盛り上がってマイナスネジのような溝があるのがカバープレートを固定する釘ですね。この時点でしっかり分けておきます。


♪♪♪


外したリードプレートのホコリなどを、歯ブラシでささっと払い落とします。

歯ブラシはリードの根元から先端に向かって払います。逆に動かすと、リードとリードプレートの間にブラシの毛がはさまってリードを曲げてしまいます。お気を付けください。



ぬるま湯にお酢を加えて、リードプレートを沈めます。1,2分くらい浸けて汚れがふやけたら、取り出して歯ブラシで優しく汚れを落とします。

酢入り(左)と、すすぎ用の真水(右)

さすが酸の力はすごくて、入れた途端にピカピカになります。

浮いた汚れを歯ブラシで落とします、

お酢はどれくらい入れたらいいのでしょうね。あまり濃いとリードを痛めそうな気もしますし、薄すぎても効果が薄い気がします。なかなか悩ましいです。

あとは真水でよく流します。リードに変な力がかからない程度のゆるい流水でもいいかもしれません。

自然乾燥


リードプレートを乾かしている間に、コームをアルコールで拭いて綺麗にします。もし汚れが酷いときは、爪楊枝などでこすって落とします。

リードプレートとコームが完全に乾いたらプライヤーで釘を打ち直して組み上げます。特に木製コームは湿気を含むと膨張しますから、その状態で釘を締めると乾いたときに緩みが出て気密性が落ちてしまいます。




♪♪♪


でも今回はせっかく分解したので、色々手を入れてみたいと思います。まずはカバープレートです。

釘穴部分はバリがひどいのでヤスリで削ってから、金槌で軽く叩いて平らにします。

結構とがっています。

バリの先端を軽く削ります。

平らな金属で挟んでトントンとね。

写真では分かりづらいですが。

ここで頑張ってもびっくりするほどは平らにはならないので、適当なところで妥協します。それでも手を切らないようにするには十分です。

ホーナー(他のメーカーもそんなに変わりませんが)のカバープレートは、裏側にあたる縁があまり丁寧に処理されていません。これもまた掃除中にうっかり手を切りそうです。

そこで外したカバープレートに裏の縁を、200番くらいのサンドペーパーで丸めます。どうせ外から見えない裏側なので見た目は気にせず、さわって危なくない程度で十分です。

軽くこするだけで大丈夫です。

あとはこれも水洗いして乾かしておきます。これで次から分解掃除・メンテナンスするときでも安心ですね。


次回リードの調整に続きます。

こちらもどうぞ。
Old Standbyについて、熱く語ってみる①
Old Standbyについて、熱く語ってみる②
Old Standbyについて、熱く語ってみる③
Old Standbyについて、熱く語ってみる④
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑦(リードの調整編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑧(チューニング編)

マーチン・スコセッシのFeel Like Going Homeに出てたよね。

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