2020年5月15日金曜日

Old Standbyについて、熱く語ってみる⑦(リードの調整編)

「Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)」のつづき、リードの調整編です。


♪♪♪


リードの向きを修正します。例のライトボックスで照らしてリードとリードプレートとの隙間がちゃんとあるか確認します。

ライトボックスに乗せて、

部屋を暗くすると。

もしリードが傾いてリードプレートの隙間が真っ直ぐじゃないときは、リードスパナで修正します。


微妙に傾いたリードがぽつぽつあります。作られたときにそんなにしっかり調整していないのか、輸送中にずれたのか、使っている間にずれていったのかはわかりません。スズキのManjiみたいに圧着(溶接?)だとこういうことはないと思うんですけどね。

リードを止めているリベットの位置が微妙にずれていて、リードの脇がスリットの脇と干渉していることがあります。そんなときは、あえて少しだけリードを傾けておくのも手です。

このリードの脇が干渉した状態は、普通の状態でチューニングが合っていても、ベンドがかかりにくかったり、ベンドしている途中でカクンと音が下がったりして上手くコントロール出来なかったりします。

大切なのはリードがリードプレートのスリットの中を自由に往復出来るかどうかです。


♪♪♪


アゲミを修正します。

アゲミが小さいときには、慎重に紙を滑り込ませて反らすように持ち上げます。リードは横から見て真っ直ぐではなく、わずかに反っているのが良いそうです。


アゲミが大きいときには、細い棒状のもので押して戻します。爪楊枝とかでも大丈夫ですが、リードプレートのスリットに引っかかりやすいので気をつけます。


アゲミをどのくらいにするかは特に決まりはないようで、大体リードの厚さくらいという「もやっとした」表現になります。このあたりは経験がものをいうところなので、僕もカルマ(笑)を積んでいきたいと思います。

で、結局のところ、吹き吸いしたときにいい感じになればいいので、試し吹きをしながら調整します。チューニングと一緒にやると二度手間にならなくていいですね。

その試し吹きに重宝するのがダブルクリップです。

ダブルクリップ登場。

内側にフェルトが貼ってあります。傷が付きにくいようにとのおまじないです。気にしないよ、という人には必要ないです。

このダブルクリップを使ってリードプレートとコームを固定します。


これで簡単に試し吹きができます。

もし、カバープレートがないと感じがつかめないよという人は(そう、僕のことだ)、まず輪ゴムでコーム、リードプレート、カバープレートをまとめて揃えてから、ダブルクリップで挟みます。

輪ゴムは緩くてもかまいません。むしろ緩い方が揃えるのが楽です。

カバープレートの先端がリードプレートの溝にちゃんとはまっていることを確認した上で、左右をダブルクリップでしっかり挟みます。

ダブルクリップのサイズは色々ありますからお持ちのハーモニカにあわせて色々試してみて下さい。Special 20のようなプラスチックコームのハーモニカだと、リードプレートがコームの中にはまり込むかたちになるので、リードプレートとダブルクリップのあいだに厚紙のようなものを挟むと良いんじゃないかと思います。



これなら組み立てた状態とほとんど変わりません。Marine Band DXやプラスチックコームのハーモニカなら1回1回組み立てるということが出来なくはないですが、それはちょっと大変です。Golden MelodyやスズキのOliveのようなタイプでなければ、このダブルクリップを使った方法はオススメです。

Maine Band1896やOld Standbyのように釘止めのハーモニカならこの方法がベストだと思います。


こちらもどうぞ。
Old Standbyについて、熱く語ってみる①
Old Standbyについて、熱く語ってみる②
Old Standbyについて、熱く語ってみる③
Old Standbyについて、熱く語ってみる④
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑤(お掃除編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)