2018年6月15日金曜日

カモメに帰る日(そして苦言を呈するのだ)

「カモメに帰る日(反省した)」からのつづきです。


アメリカンスタンダード用のストリングガイドを取り付けたことを書きました。

なかなかかっこいいですな。

このストリングガイドは一般的な(このギターに元々付いていたものもそうですが)カモメ型のものより、弦に接する部分が少ないのでチューニングも狂いにくそうです。見た目も、ちょっとスマートでモダンな感じでもあります。

ただ、ちょっと、もの申したいこともあるのです。

以下、このストリングガイドを軽くディスるので、同じパーツが付いているギターをお持ちの方、ごめんなさい。読まないでください。


ご存じのように、通常ストリングガイドは弦の張力でほぼ真上に引っ張られます。それも結構な力で。

ストリングガイドを横から見るとこんな形です。

カモメ型のストリングガイド

カモメ型のストリングガイドは、弦を引っかけている部分、つまり上に引っ張られる部分が、ネジと同じ位置にあります。そのため力が、ネジを真っ直ぐ抜く方向にかかります。
この方向には木ネジは、結構頑張ります。

ところがこのストリングガイドは、弦を引っかけている部分が、ネジの斜め上にあります。しかも、ヘッドに接する面も狭いです。

アメスタのストリングガイド

木ネジ1本で固定されているだけなので、てこの原理でネジを支点にして、接地面をこじるように強い力がかかります。この木ネジは頭部の形状からも、ねじる方向には弱いです。

ストリングガイドは、地味ですが非常に重要なパーツです。演奏中にわずかでも緩めば、大きくチューニングが狂います。

オーバーに言うと、こう。

さらに、カモメ型でもそうですが、1個のストリングガイドで2本の弦を押さえています。それぞれの弦をチョーキングするたびに、左右にぐいぐい力がかかります。

ヘッドを上から見た感じ


使ってみた感じでは問題なさそうではあるのですが、どうしても不安感が残るのです。やはり、この短い木ネジには少々荷が重い気がします。思い切ってチョーキングをしたとたん、ストリングガイドが緩むなんてことが起きそうな。。。

んー、アメスタを使ってる人は気にならないのでしょうか?

でもまぁ、大丈夫か。

これ、もう少し接地面を長くして支点をずらすと良いと思うんです。

少しでいいんですよ。もうちょっとだけ。


さらに言えば、押さえる部分の面積が稼げるように、ネジの頭の形状をカバーするように、ワッシャーをかませられるだけのスペースが欲しいところです。木ネジの長さももう少し欲しいですね。
がっちりとね。


まぁ、付けちゃったものはしょうがないですが、気にしていても精神衛生上よくないので、カモメ型のストリングガイドに戻す日も近いかもしれません。


そして「カモメに帰る日(その後)」に続きます。


♪♪♪


こちらもどうぞ。
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カモメに帰る日(ちょっと確認)
カモメに帰る日(反省した)
カモメに帰る日(その後)

2018年6月1日金曜日

カモメに帰る日(反省した)

「カモメに帰る日(ちょっと確認)」のつづきです。

テレキャスターの3弦のチューニング問題は、とりあえず解決しました。でも、ちょっと思うのです。

世間のテレ(ストラトも)はどうなの。困ってないの?

3弦4弦用のストリングガイドが付いているモデルも、あるにはありますが、通常は1弦2弦のみです。皆さんどうしてるんでしょうか。

と思いながら、もう一度ヘッドを眺めてハッと気付くわけです。ペグのポストに多めに巻けばいいのかと。そうすればナットのところの角度が稼げます。

あー、なんか聞いたことあるわ(笑)

僕のテレに元々付いていたペグは、GOTOHのものだったのですが、購入してすぐ、SPERZELに交換したのです。

SPERZELは弦をポストにほとんど巻かないことで安定したチューニングが得られるタイプです。ナットのところの角度を稼ぐためにポストの高さが6弦から1弦にかけて低くなるように作られてはいますが、3弦ではこのギターにとっては十分に低くなかったようです。

ん?ということは、1弦のペグと3弦のペグを交換するだけで解決したかも?

ま、いいか。

このヘッドの角度問題に関しては、伝統的な角度の付いたヘッドに利があります。もちろん良いことばかりではなくて、強度に少し難があって、ギターを倒したときなど、意外にあっさり折れちゃったりするらしいですけど。

レオ・フェンダーって人は、エンジニア気質で合理主義者だったそうです。旧来の楽器職人的発想とは違った角度から、革新的なギター、ベースを作り続けました。その彼はFenderのあともMusic Man、G&Lと、ヘッドのデザインは基本的に角度のないもので貫きました(もちろん例外はいくつもありますけど)。

この角度問題を抱えたデザインを採用し続けたレオ氏の判断は、一見すると合理的ではないようですが、強度はもちろん、製造工程の簡便さや歩留まり、机上での作業のしやすさなどを優先したのしょうね。

ただ、もしそうだとしても、ストリングガイドが2個付いたモデルがほとんどないのは、今ひとつ納得できないところでもあります。70年代にいくつかあったようですが、その頃には、レオ氏はもうフェンダー社にはいなかったですしね。

単に人気がないだけですか。そうですか。

今回はここまで。

「カモメに帰る日(そして苦言を呈するのだ)」に続きます。


♪♪♪


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