オクターブチューニングをきっちり合わせても、ちゃんとピッチが合わないのです。ひょっとしてフレット音痴?と思ったりもするのですが、他の弦は大丈夫ですし、新品で購入してからほとんど弾いてないのでフレットも痛んでません。
まぁ、そんなものかなぁ、と思いながら「そこそこな感じ」でチューニングしていたのですが、チューナーアプリを作ってる身としては、
「それじゃダメじゃん(©春風亭昇太)」
なわけです。そこで、この音痴な3弦についてちょっと考えたので、それを。
症状としては、
- オクターブチューニングをきっちり合わせる。
- 当然開放弦はあっている。
- でも、12フレット以外(例えば5フレットとか7フレット)を押さえると、ちょっと高い。
ここから考えられるのは、開放弦が本来のピッチより低くなっている、つまり開放弦の弦長が長いってことなのでは?となるのです。
そうすると、
文章で書くとわかりにくいですが、図にするとこうです。
ナットは開放弦の支点になりますが、正確にはナットの指板側の端(いわゆる0フレット)が支点にならないといけません。でも、支点がわずかにナットの内側にずれていたとしたらどうでしょうか。振動している弦が、ナットの溝の中で踊っている感じです。
これで1フレットの幅だけ正確な幅より少し広いという状態ができます。そんなギターは、たとえオクターブチューニングをしっかりあわせても、開放弦と12フレットを押さえた時にだけ正確な音程になるだけで、他のフレットを押さえたときには少しずつ音が外れてしまいます。
まさに上で示した症状そのものです。
では、なぜ弦の支点がナットの中にずれてしまうのでしょうか。
理由はいくつか考えられます。
- ナットの溝が広すぎる
- ナットの溝の角度が甘い
- ナットの溝の形状が悪い
- 弦をナットに押しつける力が弱い
- ビグスビーの呪い
1のナットの溝の幅は、そもそも弦に対して少し余裕を持たせて切ってあるものですし、支点のためにキツキツにするものではありません。そんなことをしたら、弦のゲージを変更するたびに、ナットを交換しなければなりません。
では、2はどうでしょうか。角度①がよほど浅いか逆になってない限りは問題なさそうです。もちろん、本来なら角度②に合わせて、きっちり切られている必要がありますけどね。
ただ、これが原因だとすると、ちょっとやっかいです。溝の切り直しが必要ですし、その結果弦高が足りなくなるようなことになれば、ナットの交換ということになります。
極端に書くとこう。 |
そして4です。
角度②が浅いと、弦をナットに押さえつける力が弱いので、弦が滑ってナット上で振動してしまいます。いくら角度①が精密に切られていても効果半減です。さらにナットの溝の形状が少しでも悪ければ、大きく影響がでます。
逆に言えば、弦を押さえつける力がある程度強ければ、多少ナットの溝の角度や形が悪くても何とかなるといえます。
まさに、力は正義(笑)!
この問題はギブソン系の(というか普通の)ギターのようにヘッドに角度が付いているものでは起きにくいですが、フェンダー系のヘッドで、特にストリングガイドの付いていない3弦、4弦で起きやすいと思います。
そこで、3弦(4弦もですが)にもストリングガイドを付けて、力業で解決できるのではないかというわけです。この仮説が正しいかどうか確かめようと、、、
今回はここまで。
あ、ちなみに5ですが、このテレキャスターにはあのアームユニットは付けてないので大丈夫です(笑)。
「カモメに帰る日(ちょっと確認)」に続きます。
♪♪♪
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