2021年5月1日土曜日

AndroidのSpinnerをちょっと変えてみる。

AndroidのUIのひとつにSpinnerがあります。

いくつかの候補から対象を選ぶときに最適なドロップダウン(プルダウン)リストが主な使い道です。見た目は違いますが、iOSならUIPickerViewがそれに相当します。

こんなの。



ところがこのSpinner、表示内容に対してwidthが十分取れないと残念な見た目になってしまいます。

ドロップダウンのリスト部分は画面に被って表示されますから、画面幅を超えない限り長くても大丈夫ですが、選択されたアイテムが表示されるSpinner自体はレイアウトに左右されます。

そこでどうしたいのかというと、ドロップダウンのリスト部分と選択されたアイテムの短縮形を表示したいのです。「ジミ・ヘンドリックス」を選ぶと「ジミヘン」になるようにね。


♪♪♪


標準的なSpinnerがセットアップされている前提です。


♪♪♪


まずは、ドロップダウンのリスト部分と選択されたアイテムのペアを格納するデータクラスを作成します。
値を入れて、取り出すだけなので処理は空っぽです。もちろん、凝った表示が必要なら処理を書きます。

Spinnerとリスト部分のレイアウトは基本的に変わりませんが、それぞれ名前(id)をつけます。


専用のカスタムアダプターを作成します。


あとは、データの型をStringからドロップダウンのリスト部分と選択されたアイテムのペアを格納するデータクラスに変更して、ArrayAdapterをカスタムアダプターに変更すればOKです。


これでこんな感じでいけます。

GitHubにこのサンプルを置いておきました。

やっぱりこれだよ、これ。

2021年4月1日木曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話5(まとめ)


 「ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話4(HOHNER Happy Harp編)」のつづき、まとめです。


結局どうなのよ、です。


ARIA AH-1020とHOHNER Happy Harpは同じワンコインのハーモニカですが、商品としての性格がちょっと違います。

有り体に言えば、前者は普通のテンホールズハーモニカの廉価版、後者はよく出来たオモチャって感じですか。


どうですか、これ。


もし、どうしてもどちらかを人に薦めなければいけないとしたらHappy Harpかなと思います。でも、プラスチックのカバープレートはさておき、アルミのリードプレートがなぁ。

一方、AH-1020のリードはちょっと堅いです。堅いというより、弾力性に欠けて脆そうと言った方が的確かもしれません。まさか、ハードに使っているとある日リードがポッキリと、、、そしてそれを吸い込む。。。なんてね。


きゃー、怖い、怖い。

さすがにそれはないよね。


でも、ARIAの方は全然ダメかというと、んー、確かにハーモニカとしては全然ダメなんですけど(笑)、メンテナンスの練習や改造を試す実験台としての位置づけならどうでしょう。

チューニング、アゲミの調整、エンボッシングといった作業は、うっかりするとリードプレートごとダメにしてしまうこともあります。リードの交換なんかだとなおさらです。いきなり上手くいくとは限らないので、練習台にするということです。少なくとも、いきなり良いハーモニカをだめにするのは辛いですよね。

AH-1020のリードの脆さは、逆にメンテの練習に向いている気がします。

Happy Harpはリードプレートがアルミであることから、思い切った改造は出来そうもありません。でも、リードを削るのはいけますから、様々な音律やパディリヒターなどの変則チューニングを試してみるのもいいですね。

♪♪♪

僕の結論としては、楽器としてではない意味で、いろいろ遊んでみるのがいいんじゃないの?(まぁ、ワンコインだし)といったところです。


こちらもどうぞ。

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話3(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話4(HOHNER Happy Harp編)

若いなぁ。。。

2021年3月1日月曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話4(HOHNER Happy Harp編)

 

「ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話3(ARIA AH-1020編)」の続きです。


さて、今回はもうひとつのワンコインのハーモニカ、HOHNER Happy Harpです。


見ての通りカバープレートが樹脂製で、コームも青く透明です。思いっ切りオモチャっぽいというか、その名のとおり"happy"感が出てます。

手に持ってみると、これがやけに軽いです。

すげー軽い(笑)。

この軽さは樹脂のカバープレートから来ているのかなと思いながら、分解してみてびっくりです。


リードプレートがアルミ?


一見真鍮っぽく着色はされてますが、この軽さはアルミみたいです。真鍮も比較的柔らかい金属ですが、アルミはもっと柔らかいです。ネジ穴も潰しやすいですから分解時には慎重に扱う必要がありそうです。そういう意味でも、メンテナンスしながら長く使うということはちょっと難しいですね。

気密性はAriaほどスカスカではありませんが、やはりちょっと足りないです。そこで得意の紙ガスケットです。

またまた、頑張って切ったよ。

これを挟んで組み立てます。


前回同様、ガスケットにはコピー用紙を使いました。結果としては、気密性が何割かアップしました。それでもまだ十分とは言えませんが、リードプレートがアルミだってこともあるのでエンボッシングはやめておきます。

ガスケットの素材はもう少し厚み(弾力?)のある紙を使った方がより良いのかもしれません。試してませんが、コピー用紙なら2枚にしてみるのも良いかなと思っています。

♪♪♪

これで、それなりのハーモニカになったと思います。あくまで「それなり」なんですけどね。


こちらもどうぞ。

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話3(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話5(まとめ)

2021年2月1日月曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話3(ARIA AH-1020編)


「ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)」のつづきです。

 

とりあえず全ての穴の音が出るようにはなりましたが、気密性がなくスカスカなのはそのままです。特に高い音のリードより低い方がスカスカです。これではリードに圧がかけられなのでベンドも出来ません。

じゃあ「リードプレートをエンボッシングするか」となりがちですが、そこはいったん置いておきます。というのも、リードを確認したときに思ったのですが、思ったほどリードとリードプレートの隙間は空いているようには見えなかったからです。

じゃあ、どこから空気が漏れているのか考えると、コームとリードプレートの間ということになります。

分解したときに観察してみましたが、リードプレートが歪んでいる様子にはなかったので、犯人はコームの成形精度の低さじゃないかと睨んだわけです。


♪♪♪


リードプレートのネジ穴に少しバリが出ていたのでサンドペーパーで削り取ります。

これでもう一度組み立て直して試してみましたが、あまり変わりません。

そこでこれです。コピー用紙をリードプレートの形に切り出して、リードプレートとコームの間に挟みます。車やバイクのエンジンのガスケットの要領です。

頑張って切ったよ。

これをコームとリードプレートの間に挟みます。


結果としては気密性が何割か上がりましたが、後もう少しです。そこで最後の手段「エンボッシング」です。


♪♪♪


エンボッシングについては賛否両論のようです。気密性を高めるには有効だという一方、デメリットも大きいという意見も多いです。

確かに、リードプレートのスリットの縁を潰してしまうわけですから、空気の流れを変えてしまうことになって色々影響が出そうです。

実際のところはどうなのか、早速やってみます。

音叉のお尻を使ってギュッと。

エンボッシングについてはコインや音叉の先端を使うなど色々あるようですが、とりあえずスタンダードに音叉のお尻の丸い玉の部分を使ってみました。

おお、気密性が。

リードプレートとリードの隙間を見た感じでは、それほど変わったようにはないようですが、吹いてみると、なるほど、グッと気密性が高まりました。これならベンドもいけます。予想していた以上の効果にびっくりです。

出来上がり。


おそらく一定以上のグレードのハーモニカなら、リードとリードプレートの間の気密性についてはアゲミの調整などで十分対応できると思いますが、工作精度の低い機種(つまりお安いモデル)ではエンボッシングも有効になってくるのかもしれません。

何事もやってみないとわからないものですね。


こちらもどうぞ。

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話4(HOHNER Happy Harp編)

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話5(まとめ)

最高や!

2021年1月1日金曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話2(ARIA AH-1020編)

 

「ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1」の続きです。


早速ARIA AH-1020(D♭)を見ていこうと思います。



ケースの中にはハーモニカ本体に加え、ウェスと12キーの配列が書かれた取扱説明書が同梱されています。

ハーモニカのカバープレートには、傷防止の薄いブルーのビニールが貼られていて、大事にされている感が感じられます。アルコールでよく拭いてから(このご時世ですからね)試し吹きです。

案の定、気密性が低くスカスカです。お値段がお値段なので、そりゃそうだろうな、という感じです。

音程は、良くはありませんが、特別こりゃダメだって感じでもありません。Hohnerだって結構いい加減だったりしますからね。けっこう個体差があります。

それはそれとして、まぁOKなわけですが、、、3番ブロー(A♭)の音が出ない。

あかん。これはアカンぞ。

分解して、リードのセッティングを例のライトボックスで確認してみます。



ちょっとリードが傾いて引っかかってましたね。それと全体にアゲミが少なめなようです。さっと修正して組み立て直します。

で、そこで事件は起こります。カバープレートを取り付けるネジを片方なめました。

えっ?ここで?

リードプレートのように薄いパーツに対するネジの場合は慎重に締めますが、カバープレートのネジを締めるときはあまり気をつかわないのは確かです。

でもなぁ。。。

ネジの精度や材質が悪いのかそれとも運が悪いのかわかりませんが、とりあえず手持ちのネジで間に合わせます。ちょうど良い長さのネジがなかったので、かっこ悪いことになりました(笑)。



このネジはM2.6x15です。この15ミリでは長すぎるので、12ミリくらいのものがあればちょうど良いのではないでしょうか。残念ながら近所のDIYショップにはありませんでしたし、そもそも規格としてあるかどうか知りませんけど。

組み上がったハーモニカを吹いてみると、全ての穴がちゃんと音が出るようになりました。

めでたし、めでたし。

気密性も若干改善しましたが、やっぱりまだスカスカのままです。これにはちょっとアイデアがあるのです。


こちらもどうぞ。

2020年12月1日火曜日

ワンコインのハーモニカってどうなのよ、の話1


ハーモニカ、特に10穴ハーモニカは楽器の中でも「お安い」部類に入ります。高価なものでも1万円を超えるくらいです。

もちろん12キーを揃えると良い金額にはなりますけどね。

いずれにしても、そんな高価いハーモニカは持ってないので、そりゃまぁ、良い音がするんだろうな、と思ってます。

では反対に安いハーモニカはどうでしょう。

サウンドハウスで10穴ハーモニカを安い順に並べると、最安はHOHNERのHappy Harpの526円、次にARIAのAH-1020の580円があります。大体ワンコインです。ちょっと足が出ますけどね。税込みだと578円、580円です。

Amazonだとちょっと高いですね。


♪♪♪


楽器は値段じゃないとはいえ、 ある程度のグレードが求められます。HOHNERならMarine BandやSpecial20、SUZUKIならManjiあたりなら、まず誰も文句ないところでしょう。入門機というなら、もう少し下のグレードでも問題ないはずです。

とはいえ、ワンコインのハーモニカはさすがに安すぎます。値段が5分の1以下です。完全に「楽器というよりオモチャでしょ?」となりますね。

じゃ、どの程度「オモチャ」なのか、試してみようじゃないですか(笑)。

そのオモチャっぷりを笑ってやろうという意地悪な気持ちがなくもないですが、ワンコインのハーモニカを見ることで逆に3千円4千円の値段が何なのかが見えてくるんじゃないかと考えたわけです。

、、、というわけで、買ってみました。


ちゃんとしたケースに入ってますな。

さてさて、どんなものでしょうね?

こちらもどうぞ。

よくこんな弾き方でちゃんと弾けるようなぁ、ニール師匠。

2020年11月1日日曜日

ベンドについて考える ②(もう少し考えた)


 「ベンドについて考える①」の続きです。

前回は単純にリード楽器で音程が下がる仕組みの話でしたが、今回はテンホールズハーモニカ限定の話です。

♪♪♪

Harmonica For Dummies 2nd Edition(Winslow Yerxa著)に、「ベンドの原則(bending principle)」が3つ書かれています。これを勝手に呆訳してみると。。。

  1. 高い音をベンドさせるには口の中の空洞を小さくする必要があるで。低い音の時には空洞を大きくするんや。
  2. ハーモニカの各穴はそれぞれ2つの音がでるやろ、高い方と低い方や。それでな、高い方の音がベンドできる音になるんやで。
  3. その高い音は低い方の音までベンドで下げることができるんやで。つまりこの2つの音程が離れていればいるほど、大きくベンドすることができるってわけや。
これは素晴らしい教本

1は、ベンドのかけ方に関する原則ですね。2は、各穴のベンドがかけられる音(リード)についてです。そしで、3はそのリードがベンド出来る幅(量)についてです。ここでは、この2と3に注目します。

♪♪♪

例えば4番の穴なら、吹音がC、吸音がDです。音程が高いのは吸音のDですから、この吸音のDがベンドのかけられるリードになります。つまり4番の穴はドローベンドが可能で、DからCまでの1音分下げることが可能となります。

同様に、10番の穴なら、吹音がC、吸音がAです。高いのは吹音のCですから、吹音のCのリードがベンドできることになります。したがって、10番の穴はブローベンドが可能で、CからAまでの1音半下げられることになります。

これを各穴の一覧にすると以下のようになります。

青い色の音がベンドで得られる音になります。

ちなみにこれだけでは半音階には音がいくつか足りないので、オーバーブロー、オーバードローで補う必要があります。

♪♪♪

でも、低い方の音までベンド出来るということですが、実際にはその低い音まで下げることは出来ないと思います。おそらく低い音の手前くらいが限界なんじゃないかと。これもちょっと不思議ですよね。

前回書いたリード楽器で音程が下がる仕組みだけを考えると、このように鳴る側のリード(高い方)のベンドが鳴らない側のリード(低い方)に制限されるのは説明がつきません。

ベンドの原則2と3から考えると、ベンドしない側のリードが、ベンドする側のリードの動きに干渉していることがわかります。確かに、カバープレートを外して音を鳴らしてみると、発音するリードではない方のリードも振動しています。


テンホールズはクロマチックハーモニカと違ってバルブがありませんから、鳴っていないリードも空気が通過して振動しているのだと思います。

ベンドの原則2から、ベンドできるリードは音程が高い方です。これに対して、低い音のリードが振動してこれに共鳴することで、発音している高い方のリードのベンドを助けているんじゃないですかね?、というのが僕の仮説です。

つまり、ベンドするリードの音程が下がるにつれ、共鳴する方のリードの音程に近づいていきます。ここまでは共鳴する方のリードがベンドの音程を下げる方向にアシストします。

共鳴するリードの音程を通り過ぎて、もっと下げようとすると、逆にブレーキになるのじゃないでしょうか。裏を返すと、ベンドの原則2で低い方のリードはベンドできないというのは、このブレーキが原因だと思うのです。

♪♪♪

どうでしょうか、正しいと思うんだけどなあ、この仮説。物理が得意な人の意見が聞いてみたいところです。

信じるか信じないかはあなた次第・・・
間違っていても責任は取れませんよ(笑)

こちらもどうぞ。


ベンドの練習にぴったりですよ。

2020年9月1日火曜日

ベンドについて考える①


ギター初心者の前にはFの壁があるように、ブルースハーモニカ初心者の前には「ベンド」が立ちはだかります。

はい、いま立ちはだかれてます

でも不思議じゃないですか、音が下がるの。弦楽器であれば、弦の太さ長さが同じ状態なら、張力を変化させることで音程を変えることができます。

これは弾く前には必ずペグを巻いたり緩めたりしてチューニングするのが当たり前な弦楽器の演奏者にとっては、理屈がどうこうではなく経験的にもわかっていることです。そして弦を押さえる指でそれをやるのがヴィブラートやチョーキングということになります。

※蛇足ではありますが、「チョーキング」というのは和製英語らしく、英語ではギターでも”bending”というそうです。

一方、ハーモニカのように息の吹き込み方で音程が変わるのはやっぱり不思議です。


♪♪♪


「こうすればベンドがかかるよ」みたいな情報は色々あります。


そういうのはちゃんとした人に任せて、ここでは「なぜ音程が変わるのか」について素人なりに考えてみようと思います。



♪♪♪


リード楽器の音程の変化については、「正しい音階-音楽音響学」溝部國光(著)日本楽譜出版社に詳しいです。この本の第17章「風圧とピッチ」で、リードオルガンを例にあげて風圧によるリード(自由弁)の音程変化が説明されています。

一言で説明すると、「風圧でリードの振動部分の長さが変わる」ということです。これをハーモニカに置き換えて図を書いてみると以下のようになります。

普通に吸ったとき。

ドローベンドをかけたとき。


チャネル内の負圧が高くなると、リードが大きく震えて、振動部分が長くなって音程が下がるということですね。

じゃあ強く吸えばいいのかと、力一杯キューっと吸ってもリードがちゃんと振動しなくて音が出ません。無理すれば壊れてしまいます。リードを震わせながらも、圧をかけるというというのがベンドということになります。

リードを震わせている空気の量を増やすと言うよりは、流れる速さを上げるというイメージでしょうか。

知らんけど。

ハーモニカでビブラートをかける方法のひとつに、「ほっほっほっ」といわゆるトレモロをかける方法がありますが、これも吹く(吸う)のを短く区切るときの圧力の変化によるものです。


♪♪♪


クロマチック・ハーモニカを吹いた後にテンホールズを吹くと、ふにゃふにゃです。まるでサスペンションの柔らかい車を運転しているみたいな感じです。おそらくテンホールズはリードが薄いために、わずかな圧力の変化で音程が変わりやすいのだと思います。

テンホールズは半分オモチャみたいな出自ですから、チープな薄いリードだったのでしょう。そのことがベンドを積極的に利用することを可能にして、ブルース音楽にうまくマッチしたという感じですか。

That's 塞翁が馬!

実際の空気の流れもリードの振動ももっと複雑だとは思いますが、なんとなくこんな感じなんだとイメージできれば、ベンドが上手くなれる気がします。

気がするだけですけど。


こちらもどうぞ。



ベンドの練習にぴったりですよ。

2020年8月1日土曜日

「ブルースハープどう呼ぶか」問題について考えた


ブルースハーモニカの世界に大きく横たわる問題に、「ブルースハープ、どう呼ぶか」があります。これについて自分なりに考えてみます。


♪♪♪


この問題については、ハーモニカプレーヤー広瀬哲哉さんのハモニカフェ第1話で語られていて、まぁそのとおりなわけです。

楽しいチャンネルですよ。ためになるし。


現状としては、一般にはブルースハープ、愛好家にはテンホールズハーモニカといった感じでしょうか。

メーカーや楽器店も大体テンホールズハーモニカの呼び方を採用しているようです。(若干のぶれがあって、10ホールズハーモニカ、10ホールハーモニカ、10穴ハーモニカなどになってますけどね)

海外では'ten-hole harmonica'という呼び方はあまり見ません。’diatonic harmonica'が多いですね。たまに’ten-hole diatonic harmonica’と表記しているものを見かけます。日本では音階よりも形(10穴)で区別するのは、複音ハーモニカがポピュラーだからでしょうかね?


♪♪♪


なぜブルースハープがまずいのかと言うと、よく知られているようにBlues Harpはホーナー社の商品名(登録商標)だからですね。ウォークマン、バンドエイドとかと一緒です。

「ブルースハープ、シブいっすね。」
「これはBlues Harp®じゃないよ。」

、、、なんてこともありそうな話です。


なぜ、ここまでブルースハープが一般的になったかの理由には、
  1. Hohner社の大ヒット商品、有名プレーヤーの愛用者も多い(らしい?)
  2. はじめて"Blues"を冠したハーモニカ(ホント?)
  3. 単に語感がカッコイイ
なんてのが上げられます。

1はそのとおりではあるのですが、販売数やプロ・アマ含めたユーザの数ならおそらくMarine Bandにはかなわないはずです。なにしろMarine Bandは120年以上の歴史があるうえ、現在でも最も人気があるモデルのひとつです。Blues Harpの発売は70年代ですから、50年足らずの歴史しかありません。もちろん、それでも十分すごいですけどね。

YouTubeの動画を見ていると、その有名さに反してBlues Harpを使っている人はそんなに見ないですね。以前と違って、今はいろいろ選択肢がありますからね、意外とそんなものかもしれません。

2については、「はじめて"Blues"を冠した」かどうかは未確認ですが、ブルース用として作られ、最初に有名になったモデルであることは間違いないです。だって名前がそうなってますからね。

元々はブルースとは無関係な楽器として生まれた10穴ハーモニカが、ブルースプレーヤーに見いだされて、いわゆるブルース用ハーモニカとしての地位を確立したうえでの、Blues Harpの発売です。ブルースハーモニカの代名詞的モデルになったのも無理からぬところです。

3はもう、そのままです。なにしろ語感がいいですし、言いやすいです。Hohner社のネーミングの大勝利です。何だかんだ言っても、個人的にはこれが一番の理由なんじゃないかとにらんでます。

「カッコイイ」は重要、すごく大事。


♪♪♪


一方でハーモニカのことをハープ、さらにハーモニカプレーヤーをハーピストって呼ぶのはどうなんでしょう。ハーモニカの別名"French harp", "mouth harp"から来ているのだと思いますが、本家である竪琴の方面から苦情とかないのでしょうか。ちょっと心配です。

ハーモニカをハープと言うのには諸説あります。
  1. ハーモニカを横から見ると竪琴の形をしている
  2. 音が一列にならんでいて、グリッサンドする感じが竪琴をイメージする
  3. ハーモニカはチープな楽器なので、おしゃれで高級感を出したかった
  4. ニックネームっぽく言ってみた(言いやすいしね)
などなど。

1はよく言われるやつですね。たしかにMain Bandは竪琴の形に見えなくもないです。よくある三角のじゃなくて、神話とか童話に出てきそうな左右対称のやつ。残念ながら、どちらかというとBlues Harpは縦長で、あまり竪琴には見えないですね。


竪琴に見えるかな?
左からMarineBand,OldStandby,GoldenMelody,BluesHarp


2はちょっとどうでしょうか。確かに管楽器(吹奏楽器)として他と比べればそのとおりですが、音が一列に並んでいるのはピアノやギターなどの弦楽器全般にいえることです。若干無理があると思います。

では3は?。ハーモニカは、当時わずか数十セントで買える、楽器の中ではかなり安い部類に入ります(今だと数十ドルですけどそれでも安い)。メーカーとしても、プレーヤーにとっても、少しでも高級感を出したいという気持ちはわかります。

「ブルース」と「竪琴」とではイメージが繋がりませんが、ハーモニカがブルースで使われるようになる以前は、もともとヨーロッパのご陽気な民族音楽を演奏するために普及しました。ハープというニックネームはこの頃からのものでしょう。

最後の4についてはもう全然わかりません。WilliamをBillっていう感じでしょうか。非英語ネイティブからすると、さっぱりです。もちろん、 ’har’-monicaと'har'-pで共通しているのはわかりますが、まったく別の楽器の名前を当てちゃうのはどうなんでしょう。

'Mississippi saxophone'という呼び方もあって、アンプリファイドされたサウンドを指しているらしいですが、「オモチャじゃないんだぜ」的なニュアンスも感じられます。それに近い感じでしょうか。

結局、どれが正解なのかはわかりませんし、それぞれの合わせ技でハーモニカをハープと呼ぶことになったのでしょう。でも、百歩譲ってハープと呼ぶのはいいとして、ハーモニカプレーヤーをハーピストというのは、さすがに「いいのかそれで」って思います(笑)。


♪♪♪


で、肝心のどう呼ぶかですが、「ブルースハープ」が一般に定着しているならもうそれでいいんじゃないかと思うんですよね。正しさって大切ですけど、言葉って相手に伝わらないと意味がないです。

かっこいいし(笑)。


自分が欲しいので作りました。

2020年6月1日月曜日

Old Standbyについて、熱く語ってみる⑧(チューニング編)

「Old Standbyについて、熱く語ってみる⑦(リードの調整編)」のつづき、チューニングです。


♪♪♪


ハーモニカのチューニングは、リードを削ります。用意するものは以下の3つです。

  1. ルーター
  2. 剃刀の刃
  3. クロマチックチューナー

1のルーターはちゃんとしたものがあれば言うことはないですが、ダイソーの600円(税抜き)のものを使いました。オモチャみたいなものですが、チューニングするだけならこれで十分です。

ちゃんとしたのが欲しいけどね。

2の剃刀の刃は、ルーターで削るときにリードの下に敷くものです。剃刀の刃は持ってないのでカッターナイフの刃を使いましたが、強度を保ちつつもできるだけ薄い方がいいので、やっぱり剃刀の刃がベストじゃないでしょうか。ま、どっちにしても手を切らないように気をつけます。

3のクロマチックチューナーは何でも良いですが、ギターやベースと違ってハーモニカの場合は平均律とは限らないので、決められたセント数をずらすことが出来るように、ちゃんとセント数が分かるような目盛りになっていることが必須です。

それなら、良いのがありますよ。
練習だけでなく、チューニングにも最適です。


ここでは平均律にチューニングすることにします。

平均律にあわせるには、目盛りの中央になるように調整します。実際にハーモニカを吹いて音程を確かめます。

10セントほど低いです。

ハーモニカの音を少し高くする必要がありますね。

ハーモニカの音を高くするには、対応するリードの先端部分を少し削ります。

リードの先端を削ります。

剃刀の刃(ここではカッターナイフの刃ですが)をリードの下に滑り込ませてルーターを当てます。

ジッ。

削るといっても、ルーターをジーっと当てると削りすぎてしまうので、短くジッとちょっとだけ当てる感じです。


リードをピンピンとはじいて、削りカスを飛ばします。

輪ゴムとダブルクリップで仮組みして、音を出して音程を確かめます。


これを繰り返して、少しずつ少しずつ目標の音程に近づけていきます。


♪♪♪


次に音程を下げる方法です。

11セント高いです。

ハーモニカの音を低くするには、対応するリードの根元に近い部分を少し削ります。

リードの根元に近いところを削ります。
ジッ。

後は上記同様、音程を確認しながら繰り返します。

最終的に目標の音程になれば出来上がりです。

中央に合えばOKです。


♪♪♪


ちなみにベンドトレーナーアプリ内蔵のチューナーには、純正律、マリンバンドチューニングを示すマーク(ドット)が表示されます。平均律のときには目盛りの中央にあわせますが、純正律、マリンバンドチューニングのときには、このマークに合わせます。



♪♪♪


テンホールズハーモニカはちょっとした吹き方の違いで音程が変わってしまいます。試し吹きをするとき普段通りの吹き方でと気をつけていても、ついつい力が入ってしまったりします。ですからチューニングメーターとにらめっこして、気合いを入れて音程を合わせてもあまりメリットはなかったりします。「大体あってればOK」の気持ちでやるのが吉です。

そういうわけで、1回のチューニングでバッチリあわせるというより、普段からチューニングメーターを使いながらのロングトーンでウォーミングアップすることで、この穴は高めだとか低めだとかチェックして、使いながら徐々にいい感じのチューニングに合わせていくといいんじゃないかと思います。



こちらもどうぞ。
Old Standbyについて、熱く語ってみる①
Old Standbyについて、熱く語ってみる②
Old Standbyについて、熱く語ってみる③
Old Standbyについて、熱く語ってみる④
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑤(お掃除編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑦(リードの調整編)



2020年5月15日金曜日

Old Standbyについて、熱く語ってみる⑦(リードの調整編)

「Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)」のつづき、リードの調整編です。


♪♪♪


リードの向きを修正します。例のライトボックスで照らしてリードとリードプレートとの隙間がちゃんとあるか確認します。

ライトボックスに乗せて、

部屋を暗くすると。

もしリードが傾いてリードプレートの隙間が真っ直ぐじゃないときは、リードスパナで修正します。


微妙に傾いたリードがぽつぽつあります。作られたときにそんなにしっかり調整していないのか、輸送中にずれたのか、使っている間にずれていったのかはわかりません。スズキのManjiみたいに圧着(溶接?)だとこういうことはないと思うんですけどね。

リードを止めているリベットの位置が微妙にずれていて、リードの脇がスリットの脇と干渉していることがあります。そんなときは、あえて少しだけリードを傾けておくのも手です。

このリードの脇が干渉した状態は、普通の状態でチューニングが合っていても、ベンドがかかりにくかったり、ベンドしている途中でカクンと音が下がったりして上手くコントロール出来なかったりします。

大切なのはリードがリードプレートのスリットの中を自由に往復出来るかどうかです。


♪♪♪


アゲミを修正します。

アゲミが小さいときには、慎重に紙を滑り込ませて反らすように持ち上げます。リードは横から見て真っ直ぐではなく、わずかに反っているのが良いそうです。


アゲミが大きいときには、細い棒状のもので押して戻します。爪楊枝とかでも大丈夫ですが、リードプレートのスリットに引っかかりやすいので気をつけます。


アゲミをどのくらいにするかは特に決まりはないようで、大体リードの厚さくらいという「もやっとした」表現になります。このあたりは経験がものをいうところなので、僕もカルマ(笑)を積んでいきたいと思います。

で、結局のところ、吹き吸いしたときにいい感じになればいいので、試し吹きをしながら調整します。チューニングと一緒にやると二度手間にならなくていいですね。

その試し吹きに重宝するのがダブルクリップです。

ダブルクリップ登場。

内側にフェルトが貼ってあります。傷が付きにくいようにとのおまじないです。気にしないよ、という人には必要ないです。

このダブルクリップを使ってリードプレートとコームを固定します。


これで簡単に試し吹きができます。

もし、カバープレートがないと感じがつかめないよという人は(そう、僕のことだ)、まず輪ゴムでコーム、リードプレート、カバープレートをまとめて揃えてから、ダブルクリップで挟みます。

輪ゴムは緩くてもかまいません。むしろ緩い方が揃えるのが楽です。

カバープレートの先端がリードプレートの溝にちゃんとはまっていることを確認した上で、左右をダブルクリップでしっかり挟みます。

ダブルクリップのサイズは色々ありますからお持ちのハーモニカにあわせて色々試してみて下さい。Special 20のようなプラスチックコームのハーモニカだと、リードプレートがコームの中にはまり込むかたちになるので、リードプレートとダブルクリップのあいだに厚紙のようなものを挟むと良いんじゃないかと思います。



これなら組み立てた状態とほとんど変わりません。Marine Band DXやプラスチックコームのハーモニカなら1回1回組み立てるということが出来なくはないですが、それはちょっと大変です。Golden MelodyやスズキのOliveのようなタイプでなければ、このダブルクリップを使った方法はオススメです。

Maine Band1896やOld Standbyのように釘止めのハーモニカならこの方法がベストだと思います。


こちらもどうぞ。
Old Standbyについて、熱く語ってみる①
Old Standbyについて、熱く語ってみる②
Old Standbyについて、熱く語ってみる③
Old Standbyについて、熱く語ってみる④
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑤(お掃除編)
Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)

2020年5月1日金曜日

Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(もう少しカバープレート編)


「Old Standbyについて、熱く語ってみる⑥(お掃除編)」のつづき、もう少しだけカバープレートとリードプレートに手を入れます。


♪♪♪


カバープレートのマウスピース部分の左右には少し隙間があります。



Golden Melodyのような完全にお椀型に型を抜くタイプにはありませんが、折りたたむようにプレスして成形する場合は、どうしても大なり小なりこの隙間が出来ます。

左からOld Standby, Marine Band, Blues Harp, Manji。

写真ではわかりにくいですが、Old Standbyは設計が古いせいか比較的この隙間が大きいです。

唇が引っかかることはないとは思いますが、念のためサンドペーパーで少し丸めておきます。

かりかり。

かりかり。


♪♪♪


リードプレートのマウスピース側も一応は丸められているのですが、あらためてサンドペーパーで丁寧に丸めます。

リードに触れないように注意。

240番くらいで丸めてから、600番で仕上げると結構ツルツルになります。もう少し番手を上げて仕上げるともっと綺麗になりますが、そこまでする必要はなさそうです。

最後に残りの4辺と角を適用に丸めます。

適当でいいです。

これまた適当。

この作業はプラスチックコームのハーモニカのように、コームにリードプレートがはまり込んでいるタイプでは必要ありません。プレーヤーがリードプレートに触りませんから。

でも、その分逆に仕上げが雑になっていることも多いので、やっぱり一度やっておくと良いんじゃないでしょうか。今後何度も分解清掃・調整しますしね。


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これでリードプレートとカバープレートは完了です。


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