「自作キーボード沼に入ってみた件①」のつづき、塗装編です。
KeebioのIris用のBlackアルミプレートは、片面が黒く塗装されていて、裏面はアルミの地の色のまま(クリアのコーティングがされてる)です。そこで、黒く塗装されていた面はそのまま残して、裏面を車用の塗料で塗装することにします。それなら失敗しても、元の面を使うという手が残っています。
塗装の手順は以下の通りです。
- 塗装しない元の塗装面をマスキング。
- 120番のサンドペーパーで、プレートの凹凸をできるだけ削る。
- 240番のサンドペーパーで、足付け、水洗いして、乾燥。
- シリコンオフで脱脂。
- プラサフを捨て吹きして、10分乾燥。
- プラサフを吹いて10分乾燥を3回繰り返す。
- 1日乾かしたら、2000番のサンドペーパーの水研ぎで足付け、水洗いして、乾燥。
- シリコンオフで脱脂。
- ボデーペンを捨て吹きして、10分乾燥。
- ボデーペンで色決め+10分乾燥を3回繰り返す。
何だか大変そうですが、やってみるとそれほど大変ではないです。
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まずは、元々の黒い塗装面をマスキングします。ボトムプレートは、広いのでボール紙を貼り付けます。
マスキングテープは100円ショップで調達。 |
下地のプラサフがプレートにしっかり食いつくように、240番のサンドペーパーで削ってプレートをザラザラにする、いわゆる足付けを施します。
ただ、一見平らに見えるプレートですが、切り口の部分が打ち抜いたときのゆがみでほんの少し盛り上がっています。バリの一種とも言えるこの盛り上がりがあるままだと、くぼんだ部分にサンドペーパーが当たらず、足付けがムラになってしまいます。
ここが最初の失敗ポイント。
そこで、足付けを一旦やめて、ゆがみを120番のサンドペーパーで削って、より平らに近くなるようにしてから、改めて240番で足付けしました。
この作業が、
実につらい。
つらいです、まじで。電動工具があれば楽なんでしょうけど。でもこのゆがみを取る作業が、後々仕上がりに大きく関わってきますので重要です。
足付けが終わったら、水できれいに洗ってから乾かしておきます。
240番のサンドペーパーで足付け。 pic.twitter.com/teawvmYcc0— hidez/ひでぢ (@_hidez) 2019年3月15日
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プレートが乾いたら塗装開始です。登場するのは3本のスプレー缶です。
- 脱脂用のシリコンオフ
- 下塗り用のボデーペン・プラサフ
- 色決め用のボデーペン・つや消し黒
近所のホームセンターで購入しました。シリコンオフはミニ缶があったので、それにしました。そんなに使うものではないですからね。どれもAmazonでも購入できますが、ミニ缶よりも通常サイズのほうが安かったりすることもあるので、お気を付けください。
ボデーペンは、車のメーカー・車種ごと様々に売られていますから、愛車とおそろいにすることもできますね。車体用はつやありなのでピカピカにできそうですが、それだとキーボードに使うには、指紋が付いたりして逆に見栄えが悪いかなと思い、僕はつや消し黒を選びました。ワイパーの部品などの塗装に使用されるものらしいです。
ボディーペンではなく、ボデーペン。 |
プレートには持ち手用の角材を、十文字になるようにマスキングテープで貼っておきます。割り箸でもいいですね。
スプレー塗料は人体に有害です。気をつけましょう。業者が使うようなガスマスクみたいな専用のものがあればいいのですが、持ってないので普通のマスク(紙?の花粉症とかインフルエンザとかのね)を2枚重ねして使いました。効果のほどは不明ですが、それでもないよりはマシかなと思います。
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まず脱脂です。プレートに油分が残っていると塗料のノリが悪くなります。シリコンオフを吹いてからキレイに拭き取ります。
シリコンオフはざっくり言うと、シンナーみたいな有機溶剤のスプレーです。軽く拭くだけで油分が落ちて、すぐに乾きます。アルコールでも代用できるらしいです。
そして軽くサッと薄く捨て吹きをします。10分乾かしたら、下地を塗ります。
わかりにくいですが、捨て吹きしてあります。 |
下地は10分空けて3回吹きます。
スプレーを吹くときはプレートを立てて、塗装面にたいして塗料が垂直に当たるようにした状態をキープしながら、スプレーを左右に動かすのが均一に塗るコツらしいです。スプレーを動かさず、噴射口を左右に振るのはNGです。
厚く吹かないように気をつけます。薄い分には塗りの回数を増やせばいいだけなので、薄いかなというくらいで、様子をうかがいながら進めます。
段ボール箱に新聞紙をかぶせ、立てるように貼り付けて塗装。 |
そして2番目の失敗ポイント。
脱脂の時に、シリコンオフを吹いてからガーゼで拭いたのですが、このガーゼの繊維が表面に残っていたのを見逃していて、そのままプラサフを吹いてしまいました。
細かい毛がぁー。 |
下地だったので、色決め前の足付けでリカバリーできましたが、もし色決めでこうなったら最初からやり直しです。
ちなみに、プラサフを乾燥させるのに、念のため一晩空けましたが、缶に書かれている説明では30分から1時間で研ぎができる速乾性だよ、とのことです。
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翌日、プラサフが完全に乾いたら、2000番のサンドペーパーの水研ぎで、色決めのための足付けをします。プラサフは柔らかいので、力をいれないで優しく滑らすように「研ぎ」ます。
#2000で水研ぎ |
そして、失敗ポイント3。
実は最初、力加減がわからなかったために強くこすってしまって地が出てしまいました。地のアルミがでてしまうと、下地の塗装をやりなおしです。
泣きながらプラサフを吹き直しましたよ、ええ。
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水研ぎが終わったら、水洗いして乾燥、そして色決めです。
シリコンオフでプレートの油分をよく落とします。下地塗装での失敗に学んで、ここでの脱脂にはキッチンペーパーを使用、丁寧に拭った後に、念のためエアーを吹きました。
キッチンペーパーでも屑が出ますが、ガーゼよりは屑が大きいので見つけやすいですし、エアーでも飛ばしやすいような気がします。
捨て吹きをして10分乾かしたら色決めです。下地と同様、10分あいだを空けて3回吹きます。
捨て吹き、こんな感じでいいのかな。 |
色決めも、エアーで吹いたこと以外は、プラサフと同じやり方です。例によって、薄いかなー、薄いかなー、で繰り返します。
立てた状態でスプレー。 |
キレイに塗れました。 |
Keebioの塗装(左)とオレオレ塗装(右) |
Keebioのオリジナル塗装より、グッと引き締まった黒で上品です。
ただ、塗装面自体は柔らかいです。爪で簡単に傷が付きます。というか爪でひっかくと簡単にはげそうです。そういう意味ではキーボードにはちょっと向いていないかもしれません。もう少し固いといいんですけど。
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塗装をやってみた結果、ポイントとしては、
- 下地の足付けは辛いけど、一番大事。塗りより下地。
- スプレーは「薄いかなー、薄いかなー」で。
- 色決め前の水研ぎは、優しくね。
- 色決めのスプレーの前には、毎回エアーでホコリを飛ばす。
- 塗料を吸い込まないように。健康第一。
って感じでしょうか。
なにぶん素人の塗装ですから、使っているうちに塗装がはげてきそうですが、まあ、初めてやったわりには上手くいったので満足しています。はげたらはげたでネタになりますしね。
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ひとつ心残りなのはミドルレイヤーを、迷った末に買わなかったことです。黒色がなかったことが理由ですが、きれいに塗装ができるなら買っておけばよかったと後悔しきりです。
あらためてミドルレイヤーだけ買うとなると、なんだか送料がもったいないですよね。
むー、どうしよう。
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心に迷いを秘めたまま、「自作キーボード沼に入ってみた件③」に続きます。
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こちらもどうぞ。
自作キーボード沼に入ってみた件①
自作キーボード沼に入ってみた件③
自作キーボード沼に入ってみた件④
自作キーボード沼に入ってみた件⑤
自作キーボード沼に入ってみた件⑥
自作キーボード沼に入ってみた件⑦
自作キーボード沼に入ってみた件(おまけ)
若いね。